2023年7月20日

東レ
米韓で生産能力増強

レギュラートウ炭素繊維

東レ(大矢光雄社長)は、同社の米国子会社で炭素繊維・プリプレグの製造・販売を行っているToray Composite Materials America(本社・ワシントン州タコマ、Dennis Frett社長、以下、CMA)および韓国子会社で、PETフィルム、ポリエステル繊維、不織布、フィルム加工品、回路材料、水処理膜モジュール、炭素繊維・プリプレグ、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂の製造・販売を展開しているToray Adⅴanced Materials Korea(本社・ソウル特別市、全海尚代表理事社長、以下、TAK)において、レギュラートウ炭素繊維の生産設備増強を決定した。レギュラートウは、フィラメント数が24K(2万4000本)までの炭素繊維で、航空機や圧力容器等、高性能・高品位が要求される分野で使用されている。

今回の設備増強ではCMAのスパルタンバーグ工場(所在地・サウスカロライナ州)と、TAKの亀尾工場(所在地・慶尚北道グミ市)の生産能力を増強し、東レグループ全体で現行の年産2万9000㌧から3万5000㌧に増強する計画で、生産開始は2025年から予定されている。

レギュラートウ炭素繊維の需要は、カーボンニュートラルのメガトレンドを背景に2030年にかけて年率17%で成長すると予想されている。特に、圧縮天然ガス(CNG)タンクや水素タンクなどの圧力容器用途は、宅配業務用CNG車両およびガス輸送タンクの需要が堅調に増加していることに加え、燃料電池を使用する乗用車、物流トラック、鉄道、船舶などへの採用が拡大しており、同用途向けのレギュラートウ炭素繊維の需要は今後急速に拡大すると見込まれている。

今回の生産設備増強は、圧力容器用途の需要が拡大している米国および韓国において安定的な供給体制の確立を図り、拡大する産業用途のレギュラートウ炭素繊維の需要拡大に対応するためのもので、航空用途等のレギュラトートウ炭素繊維の安定供給も可能としている。