2023年8月5日

NOK
精密樹脂製品メーカー全株取得

製造技術生かしてEV向け製品の拡充図る

NOK(鶴正雄社長執行役員CEO)は、精密樹脂製品を製造販売するエストー(本社・大阪市生野区、中村憲治社長)の全株式を取得する株式譲渡契約を7月26日に締結した。今後予定する株式取得完了後、エストーはNOKの連結子会社となる。

エストーは精密樹脂製品において、精密金型設計・製造から射出成形品の生産までの一貫した生産体制を備えており、顧客ニーズに合った製品を作り上げる技術で強みを発揮。電気自動車(EV)の領域においては、リチウムイオンバッテリー用の樹脂ガスケット製品が、高品質を要求される車載電池市場で高い評価を受け、大手EVメーカーに採用されている。

NOKは、EVを含む次世代自動車を重要な成長領域ととらえており、シール事業、電子部品事業の両主力事業において、販売の拡大と製品開発に注力。エストーをNOKグループに迎え入れることで、NOKが強みを持つゴムを使用したシール製品、車載バッテリー向けフレキシブルプリント基板(FPC)といった製品群にエストーの樹脂製品が加わることで、より幅広いニーズに対応したEV関連製品群の拡充を目指す。

シール事業、電子部品事業それぞれにおいて、主要製品と樹脂の組み合わせなどといったエストーの精密樹脂成形技術を生かした新製品の開発を通じて、さらなる事業基盤の強化を図る。

【エストーの概要】
▽設立1991年
▽事業内容=超精密金型の設計・製作および超精密射出成形品の製造(主要製品はEV・電子機器向けリチウムイオンバッテリー用ガスケット、インシュレーターなど)
▽従業員数=113人(2023年3月末)
▽売上高=19億7000万円(同)