2023年8月5日

東部ゴム商組
工業用品部会商工懇談会

流通動態調査結果を報告

東部工業用ゴム製品卸商業組合(塩谷信雄理事長)は7月12日、東京都中央区のホテルモントレ銀座で同組合工業用品部会(西山正晃部会長)の商工懇談会を開催。工業会サイドからは建築ガスケット工業会、旧日本ゴム工業会、日本ゴム精練工業会、日本ゴムロール工業会、墨東ゴム工業会、葛飾ゴム工業会が出席し、当日は「第8回ゴム工業用品流通動態調査」の集計結果の報告が行われたほか、品目ごとの市況や現状の課題などについての意見交換が行われた。

開会に先駆けてあいさつに立った塩谷理事長は「コロナ禍においては活動の自粛を余儀なくされたため、工業用品部会の商工懇談会も4年ぶりに開催することができた。現状においてはコロナ禍の影響、円安に起因する原油高騰による値上げ、半導体をはじめとする部材不足など、事業を取り巻く環境の急激な変化によって商売に大きな影響を受けている。これまでは多くの規制によって以前のような事業活動を営むことがかなわなかったが、今秋から来年に向けては巻き返しを図って結果を出していく一年にしたい。そのためにはメーカーの皆さんの協力が不可欠なので、商工が手を携えながら盛り上げていきたい。今日は久しぶりの開催なので大いに情報交換をし、また懇親を深め合って頂きたい」と、活発な意見交換に期待を寄せた。

引き続きマイクを握った斎藤邦彦副部会長は「集計結果において一つ象徴的な結果としては、予測売上高は7月以降は落ち着きを見せていくという回答が占める中、半数近くの会社が7~9月は販売価格が上昇と回答しており、単価は上がっても数量については減少傾向にあることを示唆しているのではないか。販売数量については回答からは確認することが難しいが、7~9月において販売が減少することを予測している会社があるのかもしれない。その後10~12月ではそういった相反する結果はなくなっていくことから、下半期にかけては全体的に落ち着きを見せるとの予測が多数を占めている」と回答から垣間見える商業者の市況について感想を述べた。また西山部会長も「仕入れ価格が上がって一時売上高が伸び悩み、粗利が押し下げられるといった状況がここ数年見受けられた。しかしながら、そういった傾向も昨年から落ち着いており、これは原材料高騰からくるメーカーからの価格改定をうまく価格転嫁できるという流れが定着してきたととらえており、ようやく健全な商流を取り戻せてきたのでないかと考えている」と現状を分析した。

その後、同部会長が流通動態調査のアンケート集計結果を報告。商社からの報告後は工業会からの報告が行われ、葛飾ゴム工業会の牧野秀徳会長、日本ゴム精練工業会の野田明志理事、日本ゴムロール工業会の服部啄夫部会長、墨東ゴム工業会の右川信司副会長が、それぞれ会の活動報告やメーカーサイドの抱えている現状の課題などについて報告を行った。また、ゴムシートの現況についても旧日本ゴム工業会ゴム板部会より入間川ゴム、オーサカゴム、十川ゴム、マクセルクレハ、タイガースポリマー、日東化工の担当者から説明がなされた。

会合の終了後は懇親会も開かれ、加藤暢利常任理事の乾杯の発声で参加者はグラスを高く掲げ、久しぶりににぎやかに懇親を温め合った。