東部ゴム商組
ベルト・ホース商工懇談会
4年ぶりに開催
4~6月は増収企業多数
東部工業用ゴム製品卸商業組合(塩谷信雄理事長)は7月19日、東京都中央区のホテルモントレ銀座でベルト・ホース部会(山田徹部会長)の商工懇談会を開催した。当日は賛助会員メーカーが13社、関連団体からは日本ベルト工業会、日本ゴムホース工業会、日本ホース金具工業会の3団体、組合員24社の総勢45名が出席。会合においては、第9回目を迎える「ベルト・ホース流通動態調査」の発表のほか、景況観測調査に基づいた商業者からの市況、工業会からの統計報告などが行われ、合わせて商工を交えての業界の動向や今後の見通しなどについて意見交換も行われた。
冒頭、組合を代表して塩谷理事長が「当懇談会はコロナ禍の影響で実に4年ぶりの開催となった。事業を取り巻く環境としてはメーカー、商社ともにコロナ禍、為替の円安、原油高に起因する値上げ、半導体をはじめとする部材不足などで大きな影響を被っている。自動車生産は持ち直しつつあるものの、半導体については昨年来ブレーキがかかっており、半導体を組み込む製品に与えているモノ不足の影響は今なお多大だ。しかしながら、われわれ商社としても来年に向けては一層奮い立ち、結果を出していきたい。そのためにはメーカーの皆さんのご協力が必要であり、引き続き倍旧のお力添えをお願いしたい」とあいさつした。
引き続きメーカーサイドからは、事情により欠席した東拓工業の中西俊博社長のあいさつ文を同社小池篤敏営業本部長が代読。「われわれメーカーにおいても原材料、電気代、労務費の高騰といった大きな課題を抱えており、商社の皆様におかれては値上げへのご理解とご協力を頂いている。当社では主原料であるプラスチック価格が高止まりの状況であり、電気代に至っては2021年度比で2倍の予算となっている。一方、労務費においても働き方改革に伴う残業時間削減に向けた増員など、今後も上昇していくものととらえており、エンゲージメントの向上のため働きやすい環境を整えるとともに、改善に向けた取り組みを進めていきたい。また環境対応の取り組みとしては、CO2排出量を現状の37%削減という目標を掲げており、全工場においてグリーン電力の導入しているものの、さらなる削減が求められている。こういった環境対応の課題についても製販の連携を一層密にしながら取り組んでいきたいと考えている」と、今後も商業者とのさらなる連携を要請した。
その後、明石哲哉部会長が流通動態調査の結果を発表。引き続いて商社を取り巻く市況を報告した山田部会長は「4~6月においては、多くの会社が売上高を伸ばしているものの、値上げ効果も反映されており、必ずしも販売量が増えたとは言えない。需要動向としては省エネ関係のベルトが増えており、現状、落ち着いている半導体関係の回復時期については2024~2025年には期待できるという回答が多く占めている。建設機械向けでは依然、高圧ホースの需要は堅調で値上げ交渉も進ちょくしている。しかしながら、物流費の上昇に伴った価格転嫁を実施できるのかは課題として残っている」と、直近の動向について述べた。
商業者からの報告後は各工業会からベルト、ホースそれぞれの統計に基づく概況報告が行われ、ビニルホース関連についてはプラス・テクの館林研一成形品営業部長が、樹脂ホース・ダクトホースについては東拓工業の小池営業本部長が現状の報告を行った。