2023年8月30日

2023年12月期第2四半期決算説明会
ブリヂストン

売上収益2兆円超に
上期において初の大台

ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)は8月9日、「決算説明会」を開催した。それによると売上収益は前年同期比11・4%増の2兆1017億600万円、調整後営業利益は同15・3%増の2383億200万円、営業利益は同44・0%増の2506億2000万円、四半期利益は同55・9%増の1832億9800万円となり、前年同期に対して2ケタの増収増益となった。

グローバルにおける景気減速の影響を受け、特にトラック・バス用タイヤを中心に市販用タイヤ需要が前年比で大きく減少する状況ながら、戦略的価格マネジメントを推進するとともに、レジリアントなプレミアム領域へのフォーカスを強化。乗用車用プレミアムタイヤの販売MIXアップ、鉱山用タイヤにおいても前年比販売増を達成し、売上収益は前年比で増収を確保。為替円安の追い風もあり、上期において同社初の売上収益2兆円超を果たした。

調整後営業利益における増減要因は、売値による1530億円、為替差益で470億円、MIX効果による120億円の増益要因があり、加工費増による470億円、原材料高騰分460億円、数量減による400億円、南米通貨における210億円、営業費増で40億円、その他要因による223億円の収益圧迫要因をしのいだ。

財別販売概況については、プレミアムタイヤは相対的にレジリアントで販売が堅調に推移しPSR―HRDが前年同期比8%増。新車用については、自動車各社の車両生産状況が改善傾向にあり、地域差はあるもののタイヤの販売は前年同期よりも伸びた。市販用については、景気減速によるタイヤの販売減少傾向が継続しているものの、プレミアムタイヤが堅調に推移。日本では冬タイヤの値上げ前の駆け込み需要が押し上げた。トラック・バス用の新車用は、半導体による影響からの需要回復の動きが継続。市販用については、景気減速を背景に米欧を中心に前年同期に対して販売は減少した。特に欧州での減少が著しかった。

鉱山用については鉄、銅を中心とした鉱物需要が堅調に推移、グローバルにおける販売好調が継続した。建設用は、新車用の販売堅調が継続する一方、市販用は中小型において、北米での流通在庫の調整を背景に販売が減少した。

地域別では、日本における売上収益が前年同期比14%増の6076億円、調整後営業利益は同62%増の891億円。米州の売上収益は同14%増の1兆131億円、調整後営業利益は同6%増の1187億円。欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカの売上収益は同7%増の4508億円、調整後営業利益は同62%減の150億円、中国・アジア・大洋州の売上収益は同7%増の2300億円、調整後営業利益は同3%減の173億円となった。

化工品・多角化事業の売上収益は1492億円、調整後営業利益56億円、このうち化工品事業の売上収益は847億円、調整後営業利益29億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益321億円、調整後営業利益は14億円、米州多角化事業(空気バネ)の売上収益は300億円、調整後営業利益15億円となった。

通期については、直近公表の業績予想値からの変更はなく、売上収益が前期比1・0%増の4兆1500億円、調整後営業利益は同5・7%増の5100億円、当期利益を同11・6%増の3350億円を見込んでいる。