2023年9月10日

住友化学
超微粒アルミナ量産

世界初、新たな市場創出へ

住友化学(橋本修社長)は、世界に先駆けて超微粒αアルミナの量産技術の開発に成功し、愛媛県新居浜市に開設している愛媛工場に新設した製造設備において、今月から量産を開始する。無機材料の技術イノベーションの成果として、ICT・省エネルギーやライフサイエンス領域などにおける新たな市場の創出を、顧客とともに加速させていく。2025年度には、高純度アルミナ事業の売上高を23年度比3割増にまで高めていくことを目指している。

アルミナは、水酸化アルミニウムを高温で焼いて作られる物質で、そのうち純度99・99%以上のものを高純度アルミナと呼称。今回量産を開始するのは、主に工業製品に用いられるαアルミナの超微粒グレード「NXAシリーズ」で、粒子径が150㌨㍍(0・15㍃㍍)以下の均質な超微粒子といった特長を備えている。粒度が比較的大きな同社製品と比較すると、およそ200分の1のサイズとなる。

住友化学は、高純度アルミナのリーディングカンパニーとして、高品質で安定性が高いだけではなく、顧客要求に対応可能な幅広い製品グレードを保有。これまでもリチウムイオン二次電池用のセパレータ部材などのエネルギー分野のほか、LED基板向けのサファイア、半導体用放熱材料などのICT分野を中心に、幅広い用途で活用されてきた。新グレードは、次世代半導体向けの研磨材用途のほか、超微細な粒子で焼結させることが容易な特長により、高強度・耐薬品性が必要な半導体製造装置用部材などの先端分野や、高強度・審美性が求められる人工関節や歯科材料といったライフサイエンス分野など、新たな領域での利用が見込まれている。

住友化学は引き続き、技術革新と顧客へのタイムリーなソリューション提案を通じて、当該の事業の拡大に努めていく。