2023年9月30日

アイシン
「2025年中期経営計画」策定

自動車業界の変化を成長機会に

アイシン(本社・愛知県刈谷市、吉田守孝社長)は「2025年中期経営計画」を策定し、9月14日に発表した。自動車業界を取り巻く環境は劇的な変化を続け、クルマの構造や求められる価値が大きく変化。同社ではこの変化を成長機会としてとらえ、培ってきた強みを生かして経営理念に掲げる「〝移動〟に感動を、未来に笑顔を。」を実現する目的に向け、〝2030年にめざす姿〟を改めて見定めた上で、事業の成長戦略、30年を見据えた25年中期経営計画を策定した。

30年に目指す姿としては、クルマ全体で電費に貢献できる「高付加価値なBEV商材」や、ユーザーエクスペリエンスを高める「安心快適製品」を提供することによってBEV化、知能化にこたえていく。

ポートフォリオ変革により、BEV商材、安心快適エントリー、ブレーキを成長領域と定め、30年には5兆5000億円~6兆円水準の売り上げを目指す。今後3年間で、グループ全体での収益体質強化や保有資産の圧縮により5000億円を創出、さらなる成長領域への投資や追加株主還元に振り向ける。また、リスキリングなどによって25年までの累計で3000人規模の人員をシフトしていく。

事業の成長戦略については、電動化・BEV化への対応においてはeAxle(イーアクスル=電動車に不可欠なトランスアクセル、モーター、インバーターを一体化した駆動ユニット)の開発。小型化技術・熱マネジメント技術・さまざまな部品を仕立て上げるパッケージ技術とそれらを統合制御した「Xin1(コストダウンを図る電動パワードレーン)」を27年市場投入予定の第3世代のラインアップとして追加する。車載電池を衝突から保護するだけでなく、電費改善・電池劣化抑制のための温度管理を加えた電池骨格の開発を加速。部品点数低減を実現させるためにギガキャストなどを活用した機能統合ボデー部品を企画・提案していく。BEV市場において、一段と需要拡大が見込まれる回生協調ブレーキや電動パーキングブレーキなどの付加価値の高い製品を拡販し、事業規模を拡大していく。知能化への対応として、ブレーキを使ってクルマ全体の動きを制御、加えてeAxleやステアリングなど、走る、曲がる、止まるという動作にかかわる製品を組み合わせた車両統合制御により、クルマの価値向上に貢献する。

パワースライドドアなどのシステム製品にソナーやカメラで行うセンシング機能を付加し、認知・判断・動作の一連を統合、状況に応じた安全支援や行動予測などが可能な「ストレスフリーエントリー」や「快適移動空間」を実現する。

30年を見据えた25年中期計画については、25年の中期経営目標を「事業ポートフォリオの入れ替え」「既存製品の収益性向上」「成長領域へのリソーセスシフト」とパワートレインユニット販売台数の増加などによって売上高5兆円、営業利益3000億円以上、営業利益率6%以上、ROIC10%以上にまで持っていく。持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、成長領域での事業拡大と資本効率の向上を図り、PBR(株価純資産倍率)1倍超という企業価値の早期実現を目指す。