2023年9月30日

【ホース・チューブ・継手特集】
東拓工業

今上期も引き続き堅調さを維持
独自のオリジナル金具の対応実現

東拓工業の2023年3月期の業績は、前年比2ケタ以上の増収となった。昨年は原材料の高騰など、非常に厳しい経営環境が継続したことで同社としては安定供給を確保するための苦渋の選択として価格改定を実施。値上げ効果によって売上高は押し上げられたものの、原料費の高止まりによって利益面においては計画には届かず、前年実績との比較では若干のマイナスで着地した。

今期の上期に入ってからも全体的に堅調さを維持しており、売上高は前期からの勢いを維持して前年同期比2ケタ増で推移。数量ベースで見れば昨年実績比微増ではあるものの、今期は現状の需要分野の状況と直近の経営環境を見極めて堅めの計画で推進しており、通期の業績については1ケタ台の増収および収益の確保を目指している。

現状の主力需要分野の動向としては、工業用ホースは昨年、販売をけん引した半導体関係がユーザーの生産調整によって一服感が漂っており、また災害復旧に伴った特需も今年は収束していることで今期は前年比微増で推移している。一方、電設資材は、各地の都市開発などの需要や無電柱化事業の案件により、メガソーラー向け需要の収束に伴う売り上げ減少分をカバーした。また大阪・関西万博におけるインフラ整備関係の特需もあり、上期は前年同期の販売実績を上回った。土木資材は、災害による河川の復旧工事や治水対策工事などの案件を取り込むことで好調を維持した。

ユーザーのニーズに呼応した新たな展開としては、このたび脱塩ビホース「TACエコSD―AS(φ38~φ75)」と「ラインエース(φ25)」において、独自のオリジナル金具「しめTAC」の対応を実現。金具の取り付け後の許容圧力はホース単体と同じなのでホースの性能を最大限に発揮することができる。また取り付けは、ボルトを締めるだけで現場で簡単に行うことができるため、利便性が非常に高く好評を得ている。

今後のさらなる〝モノづくり力〟の強化に向けては、同社では親会社の長瀬産業におけるさまざまな教育プログラムに参加。グループ企業間の連携・協業も活発化しており、人材育成、安全衛生、法規制関連などの取り組みにおいて交流を図りながら、グループ全体のモノづくりの総合力をさらに高めていく。