ブリヂストン
タイのタイヤ生産拠点再編
競争優位確保へ最適供給体制確立
ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)は、タイにおけるタイヤ生産拠点の一部の再編を決め、グループ会社であるTHAI BRIDGESTONE(タイ ブリヂストン、以下、TBSC)のランシット工場におけるタイヤ生産を終了した。
同社が中期事業計画(2021―23)で伝えてきた〝稼ぐ力の再構築〟の一環で、既に同工場における主な生産品目であった乗用車用ラジアルタイヤの生産を昨年6月末にTBSCのノンケー工場に集約。トラック・バス用ラジアルタイヤの生産については、BRIDGESTONE TIRE MANUFACTURING(THAILAND)のチョンブリ工場に今月27日に集約を完了させている。
タイの乗用車用およびトラック・バス用タイヤ事業については、同国でのブリヂストンの長い歴史によって培われた幾多の資産を有効に活用し、「断トツ№1」のポジションを維持するためにも戦略を構築して実行中。そうした情勢にあって、地域社会への影響も慎重に勘案しながら、競争優位確保につながる最適な供給体制の構築を検討した結果、ランシット工場でのタイヤ生産を終了させ、他拠点を活用した集約を行うという判断に至った。
タイにおけるブリヂストンのタイヤ事業創業拠点であるランシット工場を支えてきた従業員および地域社会に心から感謝の念を持っており、今回のタイヤ生産終了によって影響を受ける従業員および地域社会に対しては、その影響が最小限になるよう十分考慮し、各種法規制や労働協約に従って適切に手続きを進めている。
ブリヂストンは創立以来、90年余の歴史の中でそれぞれの時代、社会、消費者や顧客のニーズにこたえ、支える目的から、グローバルで、コア事業であるタイヤ生産拠点の最適化を実施。来年3月発表予定の中期事業計画(2024―26)においても、グローバルで新品タイヤ工場の役割責任を明確化し、プレミアム商品を「創る」体制を強化していく。新たなグローバル最適SCM(サプライチェーンマネジメント)の構築に向け、次なるステージに進む。
ブリヂストンは、ビジョン「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして、持続的に社会価値・顧客価値を提供している会社へ」の実現へ向けて、企業コミットメント「Bridgestone E 8 Commitment」を制定。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸として、変革を加速させていく。
【ランシット工場の概要】
▽所在地=タイ・パトゥムターニー県
▽設立年=1967年
▽工場長=タウィ・ティップギョウー氏
▽生産能力=乗用車用ラジアルタイヤ・日産約2280本、トラック・バス用ラジアルタイヤ・日産約2100本
▽従業員数=1070人