2023年11月20日

ブリヂストン
鉱山ソリューション新サービス

独自のアルゴリズムを活用

ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)は、BHP社(ブロークンヒル・プロプリエタリー社、マイク・ヘンリーCEO)がチリに保有しているPampa Norte Spence鉱山(以下、Spence鉱山)において、独自開発したアルゴリズムを活用したタイヤ耐久予測によって最適なタイヤのメンテナンスタイミングや走行ルートを提案する鉱山向け新ソリューションサービスの提供を本年7月から開始した。

ブリヂストンは、新たなプレミアムとする鉱山車両用タイヤ「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン・マスターコア)」を軸に、強いリアルとデジタルを組み合わせ、鉱山オペレーションの最適化に貢献する鉱山ソリューションの展開に取り組んでいる。

同サービスでは、現物現場で培ってきたタイヤに関する膨大な経験・知見とAIなどといったデジタルの融合を駆使した独自のアルゴリズム構築を軸に、従来のタイヤ摩耗予測を強化し、耐久予測に向けてのソリューションを進化させている。鉱山事業者の大きな困りごとであるタイヤの熱起因故障を未然防止する目的から、事業主との信頼をベースに鉱山車両情報も共有し、鉱山車両向け次世代タイヤモニタリングシステム「Bridgestone iTrack(ブリヂストン・アイトラック)」から取得できるタイヤの温度や空気圧、車両位置情報や走行速度などのデータやタイヤ装着履歴を基に、AIを活用した独自のアルゴリズムによるタイヤ耐久を予測。最適なタイヤメンテナンスタイミング、車両運行ルートを提案する。これにより、タイヤにかかるコスト削減や、車両のダウンタイム削減といった鉱山オペレーションの生産性、経済価値の最大化へ貢献していく。また、タイヤを安全に長く使用できるようにすることによって、タイヤ使用本数を削減することが可能となることから、資源生産性の向上によるサステナビリティへの貢献も実現する。

BHP社は主にオーストラリア、南米に鉱山を保有し、事業として鉄鉱石や銅、ニッケルを採掘しているオーストラリアの世界最大級の資源メジャーとして知られている。

今回導入されるSpence鉱山では、さまざまなモノの電動化に必要不可欠な材料である銅を生産、電気自動車や住宅、家電などに使用されている。銅は今後数十年高い需要が見込まれており、確実で効率的な供給を行う目的からも、鉱山における生産性向上の必要性が上昇。そうした環境にあって、タイヤが予期しないダメージを受けることによって発生する計画外の修理・タイヤ交換等のメンテナンスが、非効率な車両運行オペレーションやコスト増といった問題へとつながり、環境負荷増の要因にもなっていた。そのためブリヂストンでは、タイヤの最適なメンテナンスタイミングを伝達するサービスと広範な温度環境下での適正な内圧充てんをサポートするツールの提供を開始した。このメンテナンスタイミング通知サービスは、ブリヂストン社内で育成したデジタル人財が独自のアルゴリズムとして開発したものを活用、Bridgeston ⅰTrackで取得したデータとSpence鉱山の車両運行管理データ、ブリヂストンの持つタイヤに関するリアルの知見を基に、タイヤ一本一本の状況を分析し、ユーザーに向けて最適なメンテナンスタイミングを通知している。

今回の新ソリューションサービスは、ブリヂストンにとっての新たな挑戦活動の一つであり、同社の“断トツ商品”と、タイヤ知見に基づくデータ解析を組み合わせることによって、顧客に向けて新たな価値を提供する。今回、BHP社が保有するSpence鉱山との共創によって具現化した同ソリューションによって、オペレーション改善に貢献。今後も顧客に寄り添ったブリヂストン独自開発のソリューションによって、鉱山オペレーションの最適化や資源生産性向上を目指す。