2023年11月30日

2024年3月期第2四半期決算説明会
バンドー化学

増収増益で折り返す
通期についても上方修正

バンドー化学(植野富夫社長)は11月20日、神戸市中央区の神戸本社において、オンラインと並行したハイブリッド形式で「決算説明会」を開催した。それによると売上収益は前年同期比3・3%増の539億2700万円、コア営業利益は同3・0%増の37億5800万円、営業利益は同3・3%増の45億1500万円、四半期利益は同2・9%増の36億7100万円となり、増収増益を達成した。

事業(セグメント)別の状況は、自動車部品事業の売上収益は前年同期比9・5%増の262億7000万円、セグメント利益は同18・6%増の18億2000万円。国内においては、自動車生産台数の回復に伴い、リブエースなどといった補機駆動用伝動ベルトの販売が増加したが、同社製品採用車種が減少した影響を受け、オートテンショナなどといった補機駆動用伝動システム製品の販売が伸び悩んだ。海外においては、中国における景気減速の影響は受けたものの、自動車生産台数が前年度を上回る状況で推移、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が増加したことで、欧米においても補修市場向け製品の販売が増加した。アジア地域においても、四輪・二輪車メーカーの生産は全体的に回復傾向。補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加した。

産業資材事業の売上収益は同0・4%減の185億1800万円、セグメント利益は同0・1%減の18億9600万円。一般産業用伝動ベルトについては、国内において民間設備投資の減少によって産業機械用伝動ベルトの販売が伸び悩んだ。海外ついては、欧米において産業機械用伝動ベルトの販売が増加したが、中国・アジアにおいては、農業機械用伝動ベルトの販売が苦戦した。運搬ベルトについては、国内においてコンベヤベルトおよび樹脂コンベヤベルト(サンラインベルト)の販売が増加した。

高機能エラストマー製品事業の売上収益は同8・1%減の69億3200万円、原材料調達価格の高騰の影響もあって、セグメント利益は7600万円の損失(前年同期は2億4100万円の利益)となった。機能フイルム製品については、国内において非住宅関連の需要が停滞したこともあって、建築資材用および工業用フイルムの販売が減少した。精密機能部品については、高機能ローラ、ブレードなどの販売が伸び悩んだ。
 その他事業(ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業など)の売上収益は同7・6%増の26億3400万円、セグメント利益は4700万円の損失(前年同期は1200万円の損失)となった。

通期については、中国の景気減速などにより、同社製品の販売数量は当初予想を下回る見込みであり、その一方で為替相場が想定よりも円安で推移していることから、通期の想定レートを1米㌦130円から140円に見直した。これらの影響を総合的に勘案した結果、通期の業績予想については、当期利益が前回発表予想を上回る見込みとなったことから直近予想の予測を上方修正する。売上収益は前期比1・3%増の1050億円、コア営業利益は同11・4%増の75億円、営業利益を同5・3%増の87億円、当期利益を同10・1%増の63億円(修正前予想値60億円)を見込んでいる。