2023年12月10日

豊田合成
海水由来繊維強化プラスチック開発

車の内外装部品の軽量化に貢献

豊田合成(齋藤克巳社長兼CEO)は、海水由来の水酸化マグネシウムを用いた繊維によって補強した軽量プラスチック素材を開発した。

同社では、脱炭素への取り組みの一環として、プラスチックやゴムの材料技術を用いた製品の軽量化に注力している。今回開発された素材は車の内装や、外装に使われる汎用プラスチック(ポリプロピレン)に、海水から抽出したマグネシウム化合物が補強材の一部として配合されている。マグネシウム化合物は繊維状であることから従来の補強材(タルク)よりも補強性が高く、従来と同等の品質で補強材の量を半減することが可能。これによって製品の軽量化につながり、車の走行時の環境性能向上に貢献する。

引っかき傷が目立ちにくくなる性質があることから、一部の製品では表面を保護する塗装が不要になり、製造時のCO2削減(製品によっては7割程度の削減が可能)にも寄与する。

同技術は先月28日から5日間にわたって、千葉県の幕張メッセで行われた国際プラスチックフェア「IPF Japan2023」において共同開発を行った白石カルシウムのブースで紹介された。