2024年1月10日

新春トップインタビュー2024
ゲイツ・ユニッタ・アジア

動向を注視、堅実に
新分野の用途開拓に挑戦

【昨年を振り返って】
2023年12月期の業績については一昨年並みの水準で着地すると見込んでいる。当社は日本、中国、韓国、アセアン諸国、インドで事業を展開しているが、地域ごとで需要に濃淡が表れた。

国内は半導体部品の供給不足が緩和されたことで自動車関連が回復基調に乗ったものの、一般産業向けについては、これまで売り上げをけん引してきた半導体製造装置関係が振るわず、全体的には決して好調とは言えなかった。一昨年から半導体業界では在庫調整の局面を迎えており、昨年は当社の販売においても、少なからず影響が出た。韓国では、日本、中国、欧米からの輸入で製品を供給しているが、調達および供給面が円滑に動き出したことで、特に一般産業用途で底堅い需要があった。全体的には、一昨年並みの実績に落ち着きそうだ。アセアン地域についても、調達面がスムーズになっており、自動車用は持ち直しの兆しが見られる。ただ、一般産業用途ではOEMが伸び悩んだことで、トータルでは横ばいとなった。中国も総じて見ると前年実績をクリアした。現地では上海と蘇州に拠点を持って事業を推進しており、一昨年はロックダウンによる工場閉鎖という憂き目にあったが、当時の手痛い打撃を受けた状況から比べると自動車向けがかなり回復してきた。一般産業用は依然、足踏み状態から脱し切れていないが、価格改定のほか、一層の生産効率化に取り組んだ効果が表れ、収益面では持ちこたえている。全般的には横ばい状態で推移した印象だが、そのような中でもインドは好調であった。自動車生産も順調で拡販が進み、一般産業用についても建設機械向けで販売量を伸ばした。

【今後の見通しについて】
今年は、少なくとも上期は昨年から大きな変化はなく厳しい事業環境が継続すると見ている。ただ、そうした中でも半導体装置関係は年度後半には回復が進んでくると期待している。足元では、あまり良い材料は見られないが、当社としては高い目標を掲げるのではなく、各国の需要動向を注視しながら堅実に推進していく。韓国では今期は昨年からの良い流れが続いて通期では若干のプラスを見込んでいる。売り上げに占める割合が大きい中国は、まだまだ先行きを見通すことが難しい状況だが、潜在需要の見込める業界への拡販とコストダウンに努めながら、収益性を維持していきたい。アセアン諸国においては、事業規模も現状ではまだ大きいとは言えないため、大きな伸びは見込めないだろう。一方、インドは引き続き好調を維持しており、現状では不安材料も存在しない。安定した成長を見込んでいる地域であり、市場ポテンシャルも高い。今期においても自動車用、一般産業用とも好調な需要の着実な取り込みにまい進する。

【今年の抱負と方針を】
当社ではUSドルでビジネスを管理しており、為替が円安に動くと業績的には逆風となる。また、高止まりの続く原材料も利益を圧迫する大きな要因となっている。しかしながら、そういった厳しい事業環境の中でも新たな分野での用途開拓に挑戦し、競合先に先んじるビジネスを探索しながら推進していきたい。最終的な理想に掲げているのは、新たなニーズを掘り起こし、市場自体を創造していけるような独自性の高い製品の創出である。

一方、既存の事業についても、顧客ごとの要望に沿ったカスタマイズや開発に努め、大きな成長を見込めない分野でも、さらなるシェアの拡大につなげていきたい。