新春トップインタビュー2024
タイガースポリマー
経営理念の実現へ
持続的成長果たす事業継続
【2023年を振り返って】
自動車部品分野については、自動車生産の状況が上向きとなり、円安による為替換算がプラスとして働いた。ホースやシートなどといった工業用品分野については、製品別に凹凸はあるものの前期並みに推移した。
地域別の市況については、日本国内は自動車産業回復によって部品が好調に推移し、工業用品は前年並みを確保した。北米においては自動車部品、産業用ホースとも好調で、中国では自動車、家電用とも販売が伸び悩んだ。メキシコは円安によって増収を果たしたが、マレーシアにおいては家電用ホースの販売減少により減収減益となった。タイは自動車部品のタイ国内および米州向け自動車生産が増加したことで、円安による為替の追い風もあって増収増益となった。
【現状の課題およびその対応策について】
人手不足が最大の課題となっている。採用活動については、エージェントを通じて積極的に行っているものの、現状では若年人口の減少およびサービス業への人材流出が製造業全体にとって、人材難を招く大きな要因となっている。当社の取り組みとしては、2024年4月より新人事制度への移行を推し進めており〝素晴らしい人財があふれ、経営理念を実現できる、強い企業体質を持った会社、将来にわたって持続的に成長し続ける会社〟を当社の目指すべき姿とし、等級制度・評価制度・報酬制度を見直す。新制度によって従業員一人ひとりが、やりがいを持って主体的に業務に取り組めるように設計し、新報酬制度によって高卒・大卒・院卒すべての人材領域において初任給を引き上げる。また、教育・研修制度の充実化を進めており、職種別、階層別の研修体系を再構築し、仕事に必要な知識を学ぶだけでなく、研修を通した意識醸成や社内の風土づくりを推し進める。特に中堅クラスにおいてはコーチング能力等の習得を図ることで、上司と部下の関係がより強固になる組織体質の構築を図る。
そのほか、快適な職場環境が提供できるように順次設備の改修を推進するとともに、より柔軟に働けるよう、時差出勤や在宅勤務を制度化している。これらの取り組みが従業員に浸透することによって、当社の目指す姿を実現することができるものと期待している。
【注力している主力製品、さらには今後に向けて期待を掛けている新商品は】
資源の節約や温室効果ガス低減などの観点から、環境対応製品として「BMシリーズ(バイオマス製品)」のホース、チューブ、シートを開発し、さらには日本有機資源協会のバイオマスマークを取得した。このほか、高発泡シリコーンスポンジシート(低硬度E5・E10)を開発し、上市したほか、火災対策に貢献する製品として難燃性ダクト「GL―HG」を開発して上市した。今後の展開の方向性としては、市場ニーズを把握しながら時代に合わせた商品開発に力を注いでいく。
【2024年における取り組み、抱負と意気込みについて】
負荷軽減、効率向上を果たす目的から、事務部門や生産体制の自動化や省力化を推進する。2023年はつらくても耐え忍ぶ「耐」の一文字に尽きた感があったが、2024年も一部では厳しい状況が予想されることから、引き続き耐え忍びながら回復後の状況を見据え、その時期の訪れに向けて力を蓄えていく一年としたい。