2024年1月30日

三菱ケミカルグループ
使用済み車両ヘッドランプの回収実証実験開始

三菱ケミカルグループ(ジョンマーク・ギルソン社長)は、ポリカーボネート樹脂ケミカルリサイクルの世界初の事業化に向け、東京海上日動火災保険(広瀬伸一社長)およびABT(本社・東京都千代田区、藤本忠社長)と共同で、使用済み自動車のヘッドランプからポリカーボネート樹脂(PC樹脂)を回収するためのスキームについて、今月から関東地区で実証実験を開始した。ABTは、中央自動車工業(本社・大阪市北区、坂田信一郎社長)の100%子会社。

三菱ケミカルグループは、福岡県北九州市の三菱ケミカル九州事業所におけるPC樹脂のケミカルリサイクル実証設備を昨年9月に完成させ、10月より市場から回収された使用済みPC樹脂のリサイクル実証を開始した。今回の実証事業は、環境省の「令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の補助事業として採択されている。

三菱ケミカルグループは、より高品質なリサイクルPC樹脂を再生することができるケミカルリサイクル技術の確立だけではなく、リサイクルシステムの構築も推進。PC樹脂を製品に使用する企業などとの連携や、多方面の市場から回収するスキームの検討を行い、PC樹脂リサイクルシステムの社会実装に向けた準備を進めている。

三菱ケミカルグループ、東京海上日動およびABTでは、国内初の取り組みとして、東京海上日動およびABTが持つ使用済み自動車処理のネットワークを活用、テールランプなどといったアクリル樹脂を回収する実証実験を行っている。

今回、テールランプよりも回収が困難なヘッドランプについても、回収の実証実験を開始。今月から関東地区においてスタートさせており、実証実験で得られたオペレーション、素材の品質、コストなどといった検証結果を基に、順次全国へと検証エリアの拡大を目指していく。

三菱ケミカルグループでは、今後も高付加価値なスペシャリティ製品を供給、多くのパートナーと連携しながらそのリサイクルシステム構築にも取り組むことで、サステナブルな社会の実現に貢献していく。