【2023年12月期決算】
TOYO TIRE
北米タイヤ販売好調
純利益も過去最高を記録
TOYO TIRE(清水隆史社長)の売上高は前期比11・2%増の5528億2500万円、営業利益は同74・6%増の768億9900万円、経常利益は同68・6%増の860億4700万円、当期純利益は同50・7%増の722億7300万円となり、北米でのタイヤ販売本数の伸長などにより、売上高は過去最高を計上、重点商品の販売促進に加え、海上輸送費や為替など外部環境が追い風となったことで営業利益、為替差益の計上などによって経常利益は有価証券売却益の計上などにより、純利益についても過去最高益を記録した。
事業別の状況は、タイヤ事業の売上高は前期比10・9%増の5054億3800万円、営業利益は同64・5%増の767億2500万円。北米市場における市販用タイヤについては、「OPEN COUNTRY A/TⅢ(オープンカントリー・エーティースリー)」、「NITTO RECON GRAPPLER A/T(ニットー リコングラップラー・エーティー)」、「OPEN COUNTRY R/T TRAIL(オープンカントリー・アールティー・トレイル)」などといった同社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤ、全天候型タイヤの新商品「CELSIUSⅡ(セルシアス・ツー)」などの重点商品を中心とした販売に力を注いだことにより、販売量は前年度を上回った。売上高は値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善もあって販売量以上に前年度を大きく上回り、欧州市場における市販用タイヤについては、ロシア・ウクライナ情勢に伴うロシアや周辺地域への販売停止の影響を受けたものの、売上高は欧州各国での値上げや商品ミックス改善によって前年度を大きく伸長。ロシアを除く欧州市場においては、全天候型タイヤCELSIUSシリーズの販売が堅調に推移、市場全体の需要が減少した状況にあって、前年度並みの販売量を維持した。国内市場における市販用タイヤについては、国内需要の減少に加え、暖冬の影響から販売量は前年度を下回ったが、今期2度の値上げによる効果ならびに新商品「PROXES Sport2(プロクセス・スポーツ ツー)」、「PROXES ComfortⅡs(プロクセス・コンフォート ツーエス)」や、「OPEN COUNTRY」シリーズなどといった付加価値商品の販売に注力、売上高は前年度並みとなった。新車用タイヤについては、半導体など部品不足がほぼ解消され、自動車メーカーの生産が回復基調となったことから、販売量が前年度を大きく増加。販売量増に加えて原材料市況高騰の一部を価格に反映できたことから、売上高についても前年度の実績を大きく上回った。
自動車部品事業の売上高は同14・6%増の473億7400万円と前年度を大きく上回り、営業利益は1億7800万円(前年度は25億9100万円の損失)となった。半導体などの部品不足がほぼ解消したことで、自動車メーカーの生産が回復基調、原材料市況高騰の一部を価格に反映できたことなどで効果を得られた。
今期については、売上高、営業利益は小幅ながらも堅実なる成長を予想して売上高を前期比1・3%増の5600億円、営業利益を同1・4%増の780億円、経常利益を同21・0%減の680億円、当期利益を同37・7%減の450億円と見込んでいる。
タイヤ事業の見通しとしては、販売要因により前年度に比べ254億円上回る計画で、内訳としては数量効果でプラス66億円、商品価格/ミックス効果によりプラス189億円。商品価格/ミックス効果には、在庫の未実現利益の影響額として、プラス123億円が含まれている。
自動車部品事業においては、売上高の減少を見込むものの、事業体制の合理化効果や、改善活動によって増益を予想している。