2024年2月20日

横浜ゴム
新中計「YX2026」策定

変革の”総仕上げ” 
うなぎ昇りの成長果たす

横浜ゴム(山石昌孝社長)は2月16日、2021~23年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation2023(YX2023)」の終了を受け、24~26年度までの新中期経営計画「Yokohama Transformation2026(YX2026)」を発表した。

新中計・YX2026では、YX2023から推進してきた既存事業における強みの〝深化〟と新しい価値の〝探索〟をさらに推し進め、次世代に負の遺産を残さないという強い意志を持って変革の〝総仕上げ〟を行う。こうした考えの下、各事業で定めた成長戦略を断行し、YX2026中または27年度に「Hockey Stick Growth(〝うなぎ昇り〟の成長)」を果たすことを目指す。現在同社が見込んでいる26年度の財務目標は売上収益1兆1500億円、事業利益1300億円、事業利益率11%、ROE(自己資本利益率)10%超、営業キャッシュフロー3850億円(3年間累計)、設備投資は減価償却費以内(戦略投資除く)を掲げている。

各事業の成長戦略についてはタイヤ消費財では、高付加価値品比率の最大化を積極的に推進し、収益率の向上を目指す。これに加えHockey Stick Growthを果たすため、新興タイヤメーカーのコスト競争力に対抗すべく低コスト・高効率化を目指し、1年で工場を立ち上げる「1年工場」に挑戦する。高付加価値品比率の最大化では、プレミアムカーへの新車装着の推進およびグローバルでのモータースポーツへの参戦を継続し、ブランド価値向上に取り組むとともに、各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を引き続き推進する。

タイヤ生産財のOHT(オフハイウェイタイヤ)事業においては、OHT市場の約40%を占めると予測される農業・林業用機械向けタイヤでは、横浜ゴムグループがトップシェアを誇っており、ティア1~ティア3までティアごとに持つ生・販・技の強みを生かした「マルチブランド戦略」でさらに市場地位を強化。産業・港湾用車両向けタイヤでは、専門スタッフによるタイヤメンテナンスサービス「Interfit」のさらなる展開地域の拡充を図る。建設・鉱山用車両向けタイヤ、OHT事業全体で「Programmatic(プログラマティック) M&A」を検討し、さらなる成長を目指す。さらに一層の生産能力拡大に加え、昨年5月に買収したトレルボルグ・ホイール・システムズ(Y―TWS)とのシナジー創出を横浜ゴムグループ全体で本格化する。

TBR(トラック・バス用)事業のタイヤにおいても新興タイヤメーカーが生産量や市場への供給量を拡大しており、これに対し、欧米政府はアンチダンピングや相殺関税といった保護政策を実施。同社はこうした措置により適正な価格が維持された国や地域での販売強化を図り、収益を伴った成長を目指す。

MB(マルチプル・ビジネス)事業はYX2023における事業再編や収益改善策の実行により、収益を生み出す事業基盤を整備。新中計ではホース配管事業を「成長ドライバー」と位置付け、バリューチェーンの再構築や北米での生産構造の改革を行う。工業資材事業のコンベヤベルトでは国内における確固たる市場地位の確立、マリンホースでは高収益体制の安定化に向けた内部改善を推し進める。MB事業全体では26年度に事業利益率10%を目指し、同事業の存在感を高めていく。

新中計では技術・生産について〝よいものを、安く、スピーディーに〟をモットーに横浜ゴムグループ全体の基盤強化に取り組む。〝よいもの〟では次世代プレミアムカーへの新車装着の強化を、〝安く〟では他社に負けない抜本的コストダウンを、〝スピーディー〟ではタイヤ消費財戦略で目指すHockey Stick Growthの目玉である1年工場への挑戦とタイヤ開発のスピードアップを図る。

横浜ゴムではサステナビリティ活動は企業活動である以上、企業の成長に資するものであるべきと考えており、環境投資も十分な検討を重ね、企業収益と両立していくことを目指す。その一部として、温室効果ガス排出量の削減ではY―TWSを含め、19年比で26年に30%、30年に40%削減を新たな目標とし、コストを下げながら目標を達成する計画を策定。サステナブル原料使用の促進では新たにScope3の削減目標を追加し、26年に28%、30年に30%を設定したが、YX2026中にコストアップなく30年に40%を達成できる方法を検討していく。

財務においては、新中計でも引き続き積極的な戦略投資によって企業価値を高めていく。資産効率化では政策保有株式売却をさらに推進し、資本構成では事業構造に合った最適な資本バランスの実現(自己資本比率50%を目安)に取り組む。キャピタルアロケーションでは3年間累計のキャッシュイン約4500億円のうち、約3200億円を戦略投資および経常投資に充てる予定。株主還元については、こうした持続的な利益成長に向けた投資を積極的に実施する中にあっても安定的かつ継続的に増配していくことを目指す。

【経営目標】