日精樹脂工業
中国で射出成形機の生産能力増強
海塩県に2拠点目の工場を開設
日精樹脂工業(依田穂積社長)は、グローバル生産体制強化の一環として、中国浙江省海塩県にかねてより建設中であった射出成形機の新工場が昨年12月に竣工し、本年1月から稼働を開始した。
同社は、射出成形機のグローバルサプライヤーとして〝より市場に近い生産基地で、各市場ニーズに合った最適機種を生産・供給していく〟との経営方針の下、日本、中国、タイ、米国、イタリアの世界5極によるグローバル生産体制を構築している。
中国では2009年7月、同社初の海外工場として江蘇省太倉市に100%出資の生産子会社・日精塑料机械(太倉)(以下、太倉工場)を設立以降、中国の市場規模の拡大とともに、順次工場を拡張し、生産能力および生産機種の増強を行ってきた。さらに同社では、長期的視点で中国はもとよりアジア地域を含めたグローバル市場での需要見込みと現太倉工場での生産能力を鑑み、22年1月に中国で2拠点目となる生産子会社・日精塑料机械(海塩)(以下、海塩工場)を設立し、工場建設を進めてきた。
新設の海塩工場は中国における生産能力の拡大と、部品加工の内製化によるコストダウン推進を目的としており、射出成形機の月間生産能力は当面15台を予定。電気式射出成形機「NEXシリーズ」の型締力294kN(30㌧)、490kN(50㌧)の2機種の組み立てを行うほか、鋳物を中心とした部品加工を内製化し、太倉工場にも供給を行う。このため、工作機械4台と自動搬送装置、ラックを組み合わせたFMSラインを構築し、24時間の全自動加工も可能としている。
また、同工場は同社の世界5極からなる生産拠点におけるグローバル調達、サプライチェーンの強化に向けて部品供給基地としての役割を担うこととなる。
【海塩工場の概要】
▽所在地=中国浙江省海塩県敢浦鎮六青路999号
▽事業内容=射出成形機の組み立て、部品加工
▽出資比率=日精樹脂工業100%
▽資本金=27億円
▽人員=30人(24年計画)
▽敷地面積=3万3226㎡
▽建屋面積=1万4027㎡