2024年2月29日

アシックス
「2023年12月期決算」発表

全カテゴリー好調で増収増益に

アシックス(富永満之社長)は2月9日、「2023年12月期決算」の決算概要説明会を開催した。会見には富永社長をはじめ、廣田康人会長CEO、林晃司常務執行役員CFOが出席。冒頭、廣田会長は「今期の結果としては売上高や各段階利益において過去最高を更新し、2019年からの3年間を対象期間とした中期経営計画2023の各種目標を達成することができた。前中計で得られた経営改革の方向性と成果を踏まえ、今年1月に社長COOに就任した富永新社長のリーダシップの下〝グローバル×デジタル〟を一段と推し進め、より一体感のあるグループとして有機的なカテゴリー経営体制を持つ『Global Integrated Enterprise』へと変革を遂げ、成長の速度を引き上げていきたい」と、今後に向けての抱負について述べた。

当期は、オニツカタイガーも日本発のラグジュアリーライフスタイルブランドとして躍進。既にブランドが確立している中華圏、東南・南アジアで着実に成長し、23年はコロナ禍直前の19年以来となるインバウンド需要が完全回復も追い風となって日本では前年からは倍増となる成長を遂げ、カテゴリー利益が初めて100億円を超過した。ランナーに向けてはシューズ販売のみならず、さまざまな関連サービスをシームレスに提供できるランニングエコシステムの構築を推進、ランナーのためのプラットフォーマーになることを見据えて22年までに日本、北米、欧州、オセアニアでそれぞれレース登録プラットフォーム運営会社を買収、23年には年間で延べ1000万人以上のランナーとのタッチポイントを獲得できる体制を整えた。独自の会員サービスであるOneASICSのメンバーもグローバルで945万人に増大、今後もレース登録サービスとOneASICSを有機的につないでいくことによってランニングエコシステムの基盤をさらに拡大していく。同社では「今後も事業活動のあらゆる側面において、メンバーシップを拡大していく」と、強調した。

23年12月期の売上高については為替の影響に加え、すべてのカテゴリーで好調に推移したことから前期比17・7%増の5704億6300万円、売上総利益は同23・3%増の2968億9600万円となった。収益面では営業利益が増収効果によって同59・4%増の542億1500万円、経常利益は同63・9%増の506億7000万円、当期純利益は連結子会社のホグロフスの売却益の計上などもあって同77・4%増の352億7200万円となり、2ケタの増収増益となった。

競技カテゴリー別では、パフォーマンスランニングの売上高は前期比10・7%増の2859億2900万円、カテゴリー利益は同1・7%増の500億1800万円、コアパフォーマンススポーツの売上高は同33・2%増の721億5400万円、カテゴリー利益は同35・0%増の128億1000万円となった。スポーツスタイルの売上高は同36・3%増の592億5700万円、カテゴリー利益は同87・5%増の120億4700万円。いずれも全地域で好調に推移した。アパレル・エクィップメントの売上高は中華圏地域やオセアニア地域で好調に推移し、同2・6%増の361億8500万円、カテゴリー利益は粗利益率の改善などによって10億100万円となり、黒字転換を果たした。オニツカタイガーの売上高は同40・2%増の603億400万円、テゴリー利益は同107・6%増の153億6000万円。すべての地域で好調だったこともあり、大幅な増益となった。

地域別では日本地域の売上高は同10・1%増の1358億4900万円、セグメント利益は同111・6%増の127億9600万円。利益はオニツカタイガーやコアパフォーマンススポーツの好調などによる増収効果に加え、粗利益率の改善などによって大幅増益となった。北米地域の売上高は同8・8%増の1146億1700万円、セグメント利益はパフォーマンスランニングやコアパフォーマンススポーツによる増収効果に加え、粗利益率の改善などによって14億4000万円となり、大幅増益を果たした。欧州地域の売上高は同13・7%増の1479億8200万円、セグメント利益は同26・1%増の141億8900万円。中華圏地域の売上高は同24・4%増の776億1500万円、セグメント利益は同30・2%増の131億700万円。オセアニア地域の売上高は同15・5%増の384億6000万円、セグメント利益は同19・8%増の62億4100万円、東南・南アジア地域の売上高は同47・0%増の271億2200万円、セグメント利益は同66・6%増の49億7100万円。いずれの地域もすべてのカテゴリーが好調に推移した。その他地域の売上高は同14・2%増の498億4300万円、セグメント利益は同20・7%増の44億円と、パフォーマンスランニングおよびオニツカタイガーが好調に推移した。

今期については売上高を前期比3・4%増の5900億円、営業利益を同7・0%増の580億円、経常利益を同4・6%増の530億円、当期純利益を同2・1%増の360億円を計画し、増収増益を見込んでいる。