ブリヂストン
新中期事業計画を発表
2年間で真の次のステージへ
ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)は3月1日、2024~26年の新中期事業計画(24MBP)を発表した。3カ年の新中計では、最終年度の26年12月期の経営指標は売上収益4兆8000億円、調整後営業利益6400億円、調整後営業利益率13%、ROIC(投下資本利益率)10%を目指す。
会見で説明にあたった石橋Global CEOは前中計(21MBP)を振り返り、「最終年度である23年12月期は目標値であったROIC10%レベルに対して8・7%での着地となり、前中計で掲げた変化に対応できる〝強い〟ブリヂストンへは戻れていない」と総括。それを踏まえて、新中計においては「初年度の2024年は前中計の残課題と表面化した新たな課題に対応し、ビジネス体質強化と欧州・中国事業の再構築を実行するとともに、価値創造へよりフォーカスして稼ぐ力を強化していく。24年中には、課題解決に向けてめどをつけ、変化に対応できる強いブリヂストンの姿を取り戻し、25、26年の2年間で24MBPの〝真〟の次のステージへと進んでいく」と意気込みを語った。
事業別の経営シナリオについては、プレミアムタイヤ事業(コア事業)、ソリューション事業(成長事業)、探索事業、化工品・多角化事業に分類。それぞれのセグメントにおいて、強いビジネス体質の構築と経営・業務品質・管理レベルの向上を目指す。
コア事業では23年との比較で26年は売上成長率110%強、調整後営業利益率は13・7%から16%への成長を目標に設定。プレミアムタイヤ事業は北米市場、日本市場で稼ぐ力を強化するとともに、鉱山車両用タイヤなどの高い利益率を後押しに稼ぐ力を一層高めていく。またインド、インドネシアといった成長エリアにおいても収益向上をさらに推進する。プレミアムタイヤの稼ぐ力の強化に向けては、高インチタイヤの需要伸長の追い風に乗りながら新たなプレミアムの創造に取り組む。〝究極のカスタマイズ〟を目指す商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」の拡大を中核に据え、価値向上に向けてサステナブルなプレミアム・ブランドの構築を目指していく。
ソリューション事業では小売サービス、リトレッド、鉱山、航空ソリューションの強化とともに、モビリティック事業に戦略リソースを集中。欧州Webfleet、北米Azugaなど、モビリティソリューション事業の構築に向けて継続的な強化を図る。
探索事業では、共創をベースにビジネスモデルの探索を進める。空気の充てんを必要としない次世代タイヤ「エアフリー」や、新たな天然ゴム資源・グアユールの研究およびタイヤを原材料に戻すリサイクルの実証実験を進めるほか、ソフトロボティクス事業においては、共創パートナーとの事業化を推進する。
化工品・多角化事業は、シャープにコアコンピタンスが生きる領域に専心。油圧ホース、ゴムクローラ、米国の空気バネなどで戦略的成長投資を行っていく。