東部ゴム商組
ベルトホース商工懇談会
現状の市況の意見交換も活発に
東部工業用ゴム製品卸商業組合(塩谷信雄理事長)は3月14日、東京都中央区のホテルモントレ銀座において「ベルトホース商工懇談会」を開催した。当日は賛助メーカー12社、日本ベルト工業会、日本ホース金具工業会、組合員など総勢27人が出席。会合では、ベルトホース部会(山田徹部会長)が取りまとめた「第10回ベルトホース流通動態調査」の発表のほか、景況調査を踏まえての商業界の市況報告や工業会からの市況説明が行われ、商工による現状の市況に関しての意見交換も活発に繰り広げられた。
開催に先立ち、あいさつを行った塩谷理事長は「ゴム産業を取り巻く環境については、自動車生産は回復基調に乗っていたものの、自工メーカーによる不正問題なども起こり足元では生産が停滞している。工作機械も海外市場の低迷によって生産が厳しい状況が続いているが、半導体関係についてはようやく明るい兆しがうかがえる。今回の流通動態調査の結果を見ても、われわれが事業を営む工業用ゴムの市場は若干、弱含みで推移しているのが実態のようだ」と現状の市場環境について感想を述べた。
塩谷理事長のあいさつに続いて、メーカーを代表してあいさつしたニッタの中路国弘東京支店長は「昨年、新型コロナ感染症が5類に以降して以来、各国、各地域で変化が見られる。これは一律の動きではなく、上下左右に大きく振れる非常に激しい変化でその対応に苦慮しているところだ。昨年は今年からは半導体をはじめ、工作機械なども回復に向かうと予想していたものの、昨秋の段階では今年の夏以降の回復と予想がずれ込み、現状では2025年に入ってから本格的な回復が進むと言われている。このような先行きの読みにくい状況ではあるが、各社ともアクセルから足を離さず、ブレーキを踏まないで市場の動きを注視しながら需要変動の波を待ち受けている。本日は情報を皆さんにうかがって今年を乗り切り、2025年の本格的な需要の活性化に備えたい」と、参加者による活発な情報交換に期待を寄せた。
引き続き、高畠光敏ベルトホース副部会長から第10回ベルトホース流通動態調査の発表が行われ山口雄次副部会長が景況調査の結果を踏まえた商業界の市況を報告した。
流通動態調査の発表後は、日本ベルト工業会、日本ゴムホース工業会(山田部会長が代読)、日本ホース金具工業会から統計資料に基づいた市況の説明が行われ、樹脂ホース工業界については、タイガースポリマーの大井誠東京支店長がメーカーを代表して現況を報告した。
各工業会からの説明後は商工による市況の交換や質疑応答も実施。近年大きな課題として浮上している物流の2024年問題のほか、メーカーが取り組みを進めている環境問題への対応などの説明が行われた。