2024年3月30日

ミシュラン
共同投資計画を最終決定

初のタイヤリサイクルプラント建設へ

ミシュラン(フロラン・メネゴーCEO)、スウェーデンに本社を置くスカンジナビア エンバイロ システムズ(以下、エンバイロ)、インフラに特化した大手プライベート・エクイティ・ファームのアンティン インフラストラクチャー パートナーズ(以下、アンティン)の合弁会社は、初のタイヤリサイクルプラント建設に向けて共同投資計画の最終決定を行った。

スウェーデンのウッデバラ市を拠点とする第一工場は、建設に必要となる環境および建築に関連するすべての許可・認可を既に取得済みで、建設工程は着手されており、新工場は2025年中に稼働予定となっている。この工場は年間約3万5000㌧の使用済みタイヤ処理を目標に掲げており、その初期段階において地元コミュニティに最大40人分の環境関連の雇用を創出する予定。

プラントの建設資金の調達に加え、合弁企業は使用済みタイヤ、回収カーボンブラック、熱分解油の供給に関する複数年契約を締結。ミシュランは使用済みタイヤのリサイクル・エコシステムの開発を積極的に支援し続け、同合弁会社の発展に寄与する。その一環として、カーボンブラックと熱分解油に関する複数年の供給契約を締結した。

同合弁会社は30年までに年間最大100万㌧の使用済みタイヤのリサイクル処理を目標に掲げ、ヨーロッパ各地に工場を建設する計画を進めている。ウッデバラ工場稼働後、他の欧州諸国に追加工場を建設し、培った技術の迅速な展開を図る。アンティンとエンバイロは既にこれらの追加工場の建設に向けた資金調達計画に合意。製品寿命を終えた使用済みタイヤの量は増加し続け、現在その量は欧州だけで年間350万㌧に達している。この共同事業は、欧州全域で使用済みタイヤのリサイクルを促進し、持続可能な原材料を生産することを目的としている。生産される原料の中で最も重要なものは、回収されたカーボンブラックと熱分解油で、これらはタイヤ製造や石油化学産業で再利用が期待されている。同共同事業のリサイクル材料を使用することで、従来のカーボンブラックと比べて炭素排出量を90%以上削減できるとしている。

エンバイロとアンティンは昨年3月、欧州の特定地域に一連のタイヤリサイクルプラントを建設するために合弁会社を設立しており、今回の投資決定はそれに続くもの。