2024年4月15日

信越化学工業
国内に新工場建設

半導体材料第四の生産拠点

信越化学工業(斉藤恭彦社長)は半導体露光材料事業の拡大に向け、同事業で4番目の拠点となる工場を、群馬県伊勢崎市に建設することを決定した。

同社は同市内に約15万平方㍍の事業用地を取得し、その用地に半導体露光材料の製造および開発拠点を建設する。新工場の建設地については、複数の候補地を検討した結果、群馬県および同県伊勢崎市のあっせんも受け、この用地を選定。同社はこの新工場における投資を段階的に実施する計画で、第一期の投資は2026年までの完工を目指す。投資金額は第一期完工の段階で事業用地の取得も含め、約830億円を見込み、すべて自己資金で賄う。

同社は1997年にフォトレジスト事業を立ち上げ、直江津工場(新潟県)で当時の最先端のKrFフォトレジストの生産を開始。その後、フォトマスクブランクス、ArFレジスト、多層膜材料、EUVレジストなどの半導体露光材料の開発に相次いで成功し、事業化を行ってきた。16年には同事業の第二の生産拠点を福井県に、19年には第三の生産拠点を台湾雲林県に設け、製品の安定供給を果たしてきた。

半導体露光材料は、先端半導体の製造に不可欠な材料として需要が伸長しており、品質への要求も高度化し続けている。顧客からの強い要請にこたえるため、事業継続の観点からもリスク分散を図ることが可能な第四の生産拠点の新設を決定した。

同社はこの地を半導体材料の先進拠点として位置付け、将来的に研究開発を含む半導体露光材料などの拠点として拡大させていく構想を描いている。