2024年4月15日

日本ゼオン
米国Visolies社とMOU締結

事業の商業化を促進
世界初 バイオSISの合成に成功

日本ゼオン(豊嶋哲也社長)は3月30日、米国カリフォルニア州で合成生物学による高機能なカーボンニュートラル材料の製造を行っているVisolis社(Deepak Dugar社長兼CEO)と、バイオイソプレンモノマーおよび持続可能な航空燃料(以下、SAF)などの商業化を促進するためのMOU(基本合意書)を締結した。日本ゼオンは、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を運営する子会社、Zeon Ventures(所在地・米国カリフォルニア州、代表者・香川佳宏氏)を通して、昨年2月にVisolis社に投資したことを発表しており、今回の合意によって持続可能な社会の実現に向けた取り組みが加速する。

バイオイソプレンモノマーは、バイオイソプレンゴム(バイオIR)、バイオスチレン―イソプレン―スチレンブロック共重合体(バイオSIS)およびSAFなどの原料となり、日本ゼオンが中期経営計画STAGE30の全社戦略で掲げるカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する〝ものづくり〟への転換の推進に大きく寄与することが期待される材料。バイオイソプレンモノマーおよびSAFは、Visolis社の特許取得済みの最先端技術を活用し、バイオマス原料を元に生物反応(発酵)と化学反応を組み合わせて製造が行われる。なお、今回日本ゼオンは、Visolis社の独自技術で合成した、バイオイソプレンモノマーを用いたバイオSISの合成に世界で初めて成功した。同時にVisolis社は、バイオイソプレンモノマーの製造能力を50倍スケールアップさせている。

今回の合意に基づき両社では、今後バイオイソプレンモノマーおよびSAFなどの商業化の実現可能性を調査するとともに、日本ゼオンでは、バイオベース材料に対する高いニーズがある靴やタイヤなどの市場に対し、評価用製品サンプルの提案を開始する。