2024年4月25日

三菱重工業
アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システム

日本ガイシと開発、早期実用化目指す

三菱重工業(泉澤清次社長)と日本ガイシ(小林茂社長)は、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムの共同開発を行うことを発表した。

アンモニアは、燃焼してもCO2を排出しないゼロエミッション燃料である水素を、安全かつ大量に長距離輸送・貯蔵することが可能な水素キャリアの一つとして注目されている。日本の「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトをはじめ、欧州などの国内外においてサプライチェーン構築が計画されており、今後の市場の伸長が期待されている。

今回の共同開発では、アンモニアを分解する際に生成される水素と窒素の混合ガスから、膜分離方式によって水素を精製する最適なシステムの構築を目指す。三菱重工業は、アンモニア製造プラントをはじめとした国内外における多数の化学プラント納入実績や、これまで培ってきたアンモニアおよび水素のハンドリング技術に関する知見を生かす。また、日本ガイシは化学プロセスや浄水分野で培った固液分離膜技術と独自の成膜技術に基づき、分離精度と耐久性に優れた世界最大級のセラミック膜に関する知見を生かす。

精製された水素はクリーンな原料・燃料として利用できることから、本システムの早期実用化を目指して共同で開発を推し進めていく。