2024年5月25日

【2024年12月期第1四半期決算】
住友ゴム工業

売上、利益過去最高を更新
タイヤ事業増収増益

住友ゴム工業(山本悟社長)の売上収益は前年同期比5・3%増の2913億6000万円、事業利益は同190・7%増の231億8300万円、営業利益は同166・5%増の206億9600万円、四半期利益は同520・2%増の248億4100万円となり、売上収益ならびに事業利益、営業利益、四半期利益はともに過去最高を更新した。事業利益における増減要因は、価格1億円、直接原価による22億円(エネルギーコスト7億円のプラス、他で29億円のマイナス)、固定費増により14億円、経費増により2億円、スポーツ事業の減益による12億円のほか、生産本数販売減少に伴う生産性悪化、人件費高騰高騰等が減益要因としてあったが、原材料価格で石油系原材料の価格安定に伴い38億円、数量・構成他は111億円(海上運賃29億円、北米アンチダンピング関税は販売価格適正化に伴う還付金もあり38億円、未実現利益72億円のプラス、その他数量・構成28億円のマイナス)、為替はドル・ユーロに加えて多くの通貨で円安に推移し53億円、産業品事業他による1億円によって全社合計では152億円の増益となった。また、事業利益率についても前年同期の2・9%から8・0%に向上。「為替円安効果の要因が大きいものの、これまで取り組んできた収益性改善効果が徐々に表れてきている」(同社)。

セグメント別ではタイヤ事業の売上収益は前年同期比6・2%増の2440億9200万円、事業利益は同845・2%増の182億7800万円と、ともに過去最高を更新した。国内新車用タイヤは一部の自動車メーカーでの減産の影響などにより、販売量は前年同期を大きく下回った。国内市販用タイヤは、昨年同期の値上げ前の駆け込み需要の反動と、3月下旬までの寒さによって冬タイヤから夏タイヤへの履き替えが遅れたことで前年同期より減少した。海外新車用タイヤは、主要市場の中国では増販したが、東南アジアにおいて出荷量が減少した影響により、全体としても販売減となった。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域において中国での販売は市況低迷の影響で低水準にとどまっている。東南アジアでも総じて市況が低調な中、販売が前年同期を下回った。欧州地域は冬タイヤ販売時期が今春までずれ込む市場環境ではあったものの、冬タイヤやオールシーズンタイヤの増販に努め、販売は前年同期を上回った。米州地域は、北米では新製品を年初に発売した主力商品のワイルドピークシリーズを中心に販売好調を維持し、前年同期を上回った。南米においては海上運賃の下落などを背景にマーケットに輸入品が増加したが、ほぼ計画通りの販売を行うことができ、前年同期並み。

スポーツ事業の売上収益は同3・5%増の367億800万円、事業利益は同22・6%減の42億2500万円と、売上収益は過去最高を更新したが、事業利益は円安に伴う海外製造コストアップがあり、減益となった。ゴルフ用品は、新発売した13代目XXIOクラブが日本や北米で順調に推移。テニス用品は欧州で販売が伸び悩んだ。ウェルネス事業では、値上げ効果等で売上収益は前年同期を上回った。

産業品他事業の売上収益は同8・2%減の105億6000万円、事業利益は同16・8%増の6億6800万円。医療用ゴム製品は、国内生産分の販売は増加したが、欧州の製造・販売子会社株式の譲渡を1月末に実施したことにより欧州向け販売が大幅減となり、全体としても減収。インフラ事業の受注は増加したが、国内の使い切りゴム手袋や制振事業、OA機器用ゴム部品などで販売が減少した。

通期については下期に原材料高騰等の影響を受けると見込んでおり、当期利益のみ業績予想の修正を行った。売上収益は前期比1・9%増の1兆2000億円、事業利益は同3・0%増の800億円、営業利益は同5・4%減の610億円、当期利益は同2・6%増の380億円(前回発表予想値370億円)を見込んでいる。