2024年5月25日

【2024年12月期第1四半期決算】
TOYO TIRE

第1四半期では過去最高
売上高、当期純利益

TOYO TIRE(清水隆史社長)の売上高は前年同期比1・2%減の1275億5700万円、営業利益は同78・2%増の259億7500万円、経常利益は同101・8%増の318億8000万円、四半期純利益は同111・9%増の230億5800万円。タイヤの販売本数が前年同期比で減少したことなどにより、売上高は前年同期を下回ったが、営業利益は重点商品の販売を推進したほか、為替の円安での推移や海外輸送費の低下等といった外部環境が追い風となり、第1四半期としては過去最高を更新。営業利益の増加に加え、為替差益を計上したことなどから、経常利益は四半期ベースで過去最高となったほか、当期純利益も第1四半期としては過去最高となった。営業利益における増減要因は、タイヤ事業では販管費増による11億円の利益圧迫要因があったが、販売要因2億円(数量効果50億円のマイナス、商品価格/ミックス効果73億円のプラス、在庫の未実現利益22億円のマイナス)、製造コストはエネルギーコストの低減などにより8億円、原材料1億円、円安で推移したことで為替差益39億円、海上運賃等高騰影響59億円、セルビア工場立ち上げコスト12億円、タイヤ事業以外では自動車部品事業の4億円といったプラス要因が上回った。

事業別の状況は、タイヤ事業の売上高は前年同期比1・2%減の1165億6600万円、営業利益は同75・6%増の256億5400万円。北米市場における市販用タイヤはインフレの長期化やアジア品を中心とした安価なタイヤの流入があり、販売量は前年同期を下回ったが、OPEN COUNTRY A/T Ⅲや昨年上市したCELSIUS Ⅱなどの重点商品は需要が堅調で商品ミックスが改善したことから、売上高は前年同期を上回った。欧州市場における市販用タイヤについては、採算性を意識した供給戦略の推進に加えて、紅海情勢悪化による物流遅延の影響等を受けて、販売量および売上高ともに前年同期を大きく下回ったが、値上げや商品ミックスの改善による収益性の改善に努めた。国内市場の市販用タイヤについては国内需要の減少に加え、寒波の影響による夏タイヤへの履き替えの遅れから販売量は前年同期を大きく下回った。新商品のPROXES CF3やOPEN COUNTRYシリーズなど、付加価値商品の販売への注力ならびに昨年実施した値上げ効果を受けて価格および商品ミックスは改善したものの、販売量の減少が影響し売上高も前年同期を大きく下回った。新車用タイヤについては、自動車メーカーの生産は回復基調となったが、同社製品装着車種の販売が低調だったことなどにより、販売量、売上高ともに前年同期を大きく下回った。

自動車部品事業については、自動車メーカーの生産が回復基調となり、売上高は同1・9%減の109億9100万円、営業利益は収益改善策などによって3億1400万円(前年同期は3800万円の損失)となり、営業損失を解消させた。

通期については、直近公表の業績予想値からの変更はなく、売上高を前期比1・3%増の5600億円、営業利益を同1・4%増の780億円、経常利益を同21・0%減の680億円、当期純利益を同37・7%減の450億円と見込んでいる。