豊田合成
改質リグニン配合プラスチック素材開発
スギの成分で石油由来材を一部代替
【豊田合成の木質バイオ材活用取り組み】
豊田合成(齋藤克巳社長兼CEO)と森林研究・整備機構(森林総合研究所、所在地・茨城県つくば市、浅野透理事長)は、日本固有の樹木であるスギの成分を配合したプラスチック素材を共同で開発した。なお、本件は森林総合研究所が代表機関となり、脱炭素社会の実現を推進する「高機能リグニン材料開発コンソーシアム」で共同開発を行っている。
豊田合成は、脱炭素への取り組みの一環としてプラスチックやゴムに植物由来の原料を配合することによって製品の環境負荷低減を進めているが、今回開発した「改質リグニン配合プラスチック」は、車のハンドルなどに使われるウレタンやナイロンといったプラスチックに、スギから抽出した改質リグニンを配合。改質リグニンは、スギから主成分の「リグニン」(植物の細胞と細胞をつなぎ合わせる接着剤の役割を持つ木の成分)を工業材料として化学的に抽出した物質で、耐熱性・加工性に優れており、豊田合成の材料技術により、プラスチック製品の石油由来材を一部代替することを可能にした。
さらに、今回の改質リグニンの利用の推進は、全国各地で豊富に存在するスギの木材としての付加価値を高めて有効活用する取り組みの一環であり、アレルギー源であるスギ花粉の低減への貢献も期待される。今後、豊田合成の主力製品であるハンドルなどの内外装部品への適用も視野に開発が進められる。
同技術は今月22日から3日間、横浜市西区のパシフィコ横浜で行われた「人とくるまのテクノロジー展2024」の豊田合成ブースで紹介が行われた。