【2024年3月期決算】
バンドー化学
営業利益以外は過去最高
国内でコンベヤ増加
バンドー化学(植野富夫社長)は5月21日、神戸市中央区の神戸本社とオンラインによるハイブリッド形式で「決算説明会」を開催した。それによると売上収益は前期比4・5%増の1082億7800万円、コア営業利益は同12・6%増の75億8400万円、営業利益は同5・9%減の77億7200万円、当期利益は同8・0%増の61億8000万円となった。売上収益、コア営業利益および当期利益は過去最高を記録したが、高機能エラストマー製品事業に係る減損損失14億2700万円を計上にしたことにより、営業利益は減益となった。コア営業利益における増減要因は、売り上げの変動による粗利の増加で3億8900万円、売上原価率の変動による4億5700万円、為替影響(粗利)で7億6600万円の増益要因があったことから、販管費の増加3億100万円、為替影響(販管費)による4億6100万円のマイナス要因を解消し、利益を伸ばした。
セグメント別では、自動車部品事業の売上収益は前期比8・3%増の532億8200万円、セグメント利益は同25・0%増の41億1100万円。国内は自動車生産台数が回復基調で推移したものの、同社製品採用車種の減少により、補機駆動用伝動ベルトおよび補機駆動用伝動システム製品(オートテンショナなど)の販売が減少した。海外では、中国で景気減速の影響を受けながらも、自動車生産台数は前年度を上回る状況で推移したことで、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が増加した。欧米においても補修市場向け製品の販売が増加。また、アジア地域でも四輪・二輪車メーカーの生産は総じて回復傾向にあり、補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加した。
産業資材事業の売上収益は同3・7%増の366億7200万円、セグメント利益は同8・5%増の34億9200万円。一般産業用伝動ベルトについては、国内では民間設備投資の減少によって産業機械用伝動ベルトの販売が減少した。海外においては、欧米において産業機械用伝動ベルトの販売が減少し、中国では農業機械用伝動ベルトの販売が減少した。運搬ベルトについては、国内においてコンベヤベルトおよび樹脂コンベヤベルト(サンラインベルト)の販売が増加した。
高機能エラストマー製品事業の売上収益は同6・9%減の137億6900万円、原材料調達価格の高騰の影響もあり、セグメント損失は1億5100万円(前期は3億5900万円の利益)となった。機能フイルム製品は、工業用フイルムの販売が減少。精密機能部品についても同社製品採用機種の減少により、高機能ローラおよびブレード等の販売が減少した。
ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業などを行っているその他の事業の売上収益は同1・6%増の53億5200万円、セグメント利益は同23・3%増の7300万円。
今期については、売上収益は前期比1・6%増の1100億円、コア営業利益を同8・1%増の82億円、営業利益を同23・5%増の96億円、当期利益を同5・2%増の65億円を見込んでいる。