2019年12月15日

タイヤCEO会議が開催 ~世界のメーカー参加~

11月22日、世界を代表するタイヤメーカー11社の最高経営責任者(CEO)が、第8回目となる「タイヤ産業プロジェクト(タイヤ・インダストリー・プロジェクト=TIP)」のCEO会議を京都で開催した。

TIPは、タイヤがそのライフサイクルを通じて、人間の健康と環境に与える潜在的な影響を研究することを目的に、2005年に世界を代表する主要なタイヤメーカーのCEOが主導して設立された。持続可能な開発のための世界経済人会議(ワールド・ビジネス・カウンシル・フォー・サステナブル・ディベロップメント=WBCSD)の傘下にあり、ブリヂストン、グッドイヤー、ミシュランが共同代表を務めている。
 世界のタイヤ生産能力の約65%を占める主要タイヤメーカーのCEOが参画する同会議は2年に一度開催されており、CEOはTIPが推進する活動の進ちょく・成果を確認するとともに、その後2年間の活動計画の承認を行っている。

 今回のCEO会議で確認された主な取り組みの進ちょく・成果は次の通り。

 まず持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム「GPSNR」設立については、GPSNRは、独立的なマルチステークホルダープラットフォームであり、天然ゴムのバリューチェーンにおける社会的・経済的・環境的パフォーマンスの改善を主導するために設立された。

 タイヤと道路の摩擦により発生する摩耗粉じん(TRWP)の潜在的な影響調査ではロサンゼルス、ロンドン、東京の主要3都市における大気中の微粒子(PM2・5)を調査した結果、TRWPが大気に及ぼす影響は軽微であることが示された。

 廃タイヤ(ELT)管理とタイヤ製造に関する環境パフォーマンスの向上については、今回の会議において、ELT管理に関するグローバルな知見をまとめた最新の報告書ならびにTIP参加企業の生産活動に関する主要な環境パフォーマンス指標を掲載する報告書の発行が承認された。

 タイヤ製品カテゴリールール(PCR)の発行では、タイヤのライフサイクルが環境に与える影響評価に関する標準化および透明性の向上に貢献した。

 また今回のCEO会議では来年~21年の活動計画として、主に①TRWPに関する大気、河川、土壌、河口等における拡大サンプリング調査、環境中での劣化、挙動に関するモデリング、生物への健康影響の詳細調査②TIP参画企業の生産活動における環境パフォーマンス指標の継続的報告③ステークホルダーとの対話を通じた、効果的なELT管理④タイヤ原材料の研究開発活動を通じた、タイヤ原材料に用いられる化学物質の人体および環境への影響評価⑤タイヤのライフサイクルを通じたナノマテリアルの安全な開発と使用に関する経済協力開発機構(OECD)のガイドラインへの貢献⑥持続可能性への取り組みの一環として、WBCSDの持続可能な開発目標(SDGs)への貢献に向け、タイヤ産業におけるSDGセクターロードマップの策定検討の内容が承認された。

 TIP参加企業(アルファベット順)は次の通り。

 ▽ブリヂストン▽コンチネンタル▽クーパー タイヤ アンド ラバー カンパニー▽ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー▽ハンコック タイヤ▽クムホ タイヤ カンパニー▽ミシュラングループ▽ピレリ▽住友ゴム工業▽TOYO TIRE▽横浜ゴム