住友ゴム工業
「新商品開発技術説明会」より
タイヤ性能の新しい領域開拓
来年中に性能持続技術採用タイヤ量産へ>

説明会には、材料開発本部から執行役員の村岡清繁材料開発本部長、上坂憲市材料企画部長が出席。自動車業界を取り巻く状況としては、移動や輸送全体にかかわる社会の変化に対応する〝モビリティ・アズ・ア・サービス（ＭａａＳ）〟の進展、自動運転レベルの向上、シェアリングサービスの普及など車の使われ方としても大きな変化を遂げている。新しい使われ方をするクルマに適したタイヤについては、自動運転に対応するタイヤに象徴され、原材料から製造、リサイクルに至るまでライフサイクルアセスメント（ＬＣＡ）の考えを織り込みながら安全・安心なソリューションを提供するＭａａＳに対応したタイヤとしての要素も求められる。同社としては技術の核となる５つの方向性としてセンシングコア、性能持続、アクティブトレッド、ＬＣＡ、エアレスタイヤととらえており、これまでの開発で蓄積された知見を生かしてスマートコンセプトタイヤを実現し、来年中には性能持続技術採用タイヤを量産化、ＬＣＡ手法採用新素材によるコンセプトタイヤを発表する。２３年にはアクティブトレッドコンセプトタイヤを発表し、２０年代中にスマートタイヤコンセプトタイヤの全技術を投入したタイヤを完成させる計画を立てている。現在、このコンセプトに基づいた技術開発として自動運転に向けては新品時の性能の長期維持、ＬＣＡの考え方に基づいた低燃費・軽量、バイオマス材料、生分解性、容易なリサイクルといった要素を追求。安心・安全なソリューションを提供できるタイヤとしては、劣化の予測・異常の検知に向けての開発を進めている。

技術テクノロジー紹介を行った上坂部長は、スマートタイヤコンセプト概念の拡大・進化に向けては新たにＡＩを導入し、モノづくりの技術を一段と進化させる重要性を強調。タイヤの変化の判断については、目視に頼ると非常に困難であることから、ＡＩ技術を用いたタイヤ解析支援プラットフォームとして〝タイヤ・リープＡＩアナリシス〟による画像解析技術を駆使する。大量の画像をインプットされたＡＩが新品から使用後の違いを判定し、その変化を定量的にフィードバック。使用前後におけるタイヤの変化の箇所を特定する。同社ではＡＩ技術とシミュレーションを連携させることにより、タイヤ性能の新しい領域を開拓する。