2021年1月30日

日本ケミカルシューズ工業組合
日本有数の靴の祭典

“靴のまち神戸”でリアル見本市開幕
現物の展示で魅力再発信

日本ケミカルシューズ工業組合(新井康夫理事長)は1月20、21の両日、「第168回日本グランドシューズコレクション」を、神戸市中央区の神戸国際展示場2号館で開催した。

〝靴のまち神戸〟を象徴する日本有数の靴の展示会で、2021年夏ものシューズのコレクションをファッションと品質でアピールした。今回も「全国サンダルフェア2021」との併催で、兵庫県鞄工業組合の地域ブランドである「豊岡鞄」も併せて出展。来場者はファッションのコーディネートを引き立たせる小物類を見て回り、おしゃれの観点から、靴やカバンの存在感の大きさを改めて認識していた。

数多くのカテゴリーの展示会が、リアルからバーチャル開催に切り替える状況にあって、同組合では〝ファッションアイテムの真価をくみ取るのは現物に触れるのが一番〟との観点から、新型コロナウイルス感染症の感染予防策を徹底しながらリアル展示会としての開催を実施した。昨年に引き続いて今回が2度目となるが、その姿勢に賛同して創業50年以上の歴史を誇るフットウエアの企画・全国卸商社のコマリヨー(河瀬徹社長)も個別に同時出展。イタリアのファッション展示会として名前の知られるMICAMなどのレベルに日本を代表する見本市としての成長を加速させようとしている。

シューズの展示内容については、春夏ものだけにサンダルとパンプスの種類が豊富で、特徴としてはいずれのスタイルの主流もパンチングによって独自のムードを醸し出していた。花柄模様から星型、幾何学模様を連想させるエッチングで、ファッションと涼感の両方のイメージを醸し出していた。アッパーの装飾はビジューやスタッズ・ストーン遣いが主流で、ワンポイントによるシックなシルエットに対して印象付けながら、さまざまなフィギュアをあしらったストーンの配列によって幅広い年齢層にアピールしていた。花柄モチーフを主役にビジューを用いてキュートとエレガンスの中間域のファッションを構成したほか、サンダルについても、カテゴライズの難しい、フレッシュなファッションがあふれていた。ストイックなパンプスもカラーや素材の切り替え、切り替え線における不規則性によって独自性を醸し出しているほか、切り替えポイントを従来よりもソールよりにするなど、テーストの変化を意識した展開も見られ、ともすればエスニック風のムードをまとったイメージに仕上げられていた。

ブーツ丈の編み込みサンダルやパンプス類は少なく、むしろパンプスの中間丈にサイドゴアを入れ込むなど、ショートブーツの魅力を他のカテゴリーに落とし込む展開が際立っていた。

スニーカー人気は定着しているが、パンチングやオープンサイド、ストーンやスタッズでアッパーにビビッドな装飾を施すなど、スポーティーさは薄れており、エレガンスなスニーカー調のファッションアイテムがスニーカーカテゴリーにおいては幅をきかせていた。ただしニットサンダルの人気は根強く、シルエットはスポーツカジュアルを受け継いでいた。