2020年12月期決算発表
TOYO TIRE
収益改善に向け着実
SUV向け、冬タイヤ好調
TOYO TIRE(清水隆史社長)は2月15日、ウェブを通じて「決算説明会」を行った。説明に先立ち、清水社長は「2020年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けたが、下期から回復を遂げたことで伸びに転じた。収益改善に向けた取り組みも着実に進んでおり、一時的な工場の停止など厳しい局面にも見舞われたが、SUV用タイヤや冬タイヤも好調に推移しており、今後に向けた成長軌道に戻した」と前置きした。当期の同社グループの売上高は前期比8・9%減の3437億6400万円、営業利益は同5・5%減の363億2800万円、経常利益は同15・7%減の308億8700万円、当期純利益は同52・3%減の116億8200万円となった。
当第4四半期決算において、算定可能となった交換用の免震製品代金や改修工事費用として22億6600万円、補償費用等8億900万円、諸費用18億5800万円を計上、71億7800万円が特別損失として繰り込まれている。
事業別では、タイヤ事業の売上高は同7・9%減の3066億900万円、営業利益は同7・4%減の383億4200万円。北米市場における市販用タイヤについては、新商品や同社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤなどの販売が好調に推移したことで、販売量、売上高とも前年並みとなった。欧州市場における市販用タイヤについては、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少を受けたことで販売量への影響に加え、一部市場では為替および供給絞り込みの影響もあって伸び悩んだ。新車用タイヤについても、新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受けたことで振るわなかった。国内市販用タイヤについては、同社の強みであるSUV用タイヤを中心とした付加価値商品の販売に力を注いだことで販売が好調に推移、新商品の投入および降雪の影響もあって、スタッドレスタイヤの販売量も増加した。
自動車部品事業の売上高は同16・7%減の371億1000万円、営業損失は20億2000万円(前年度は29億1900万円の損失)となった。自動車用部品における防振ゴムの売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受けた。「自動車部品は商品構造の改編によって収益向上を図る。タイヤとのセットビジネスを考えており、コストダウンを図るとともに、採算性の高い製品を取り込みながら、3~4年後には成果を出す」(同)。
今期の売上高としては、前期比8・2%増の3720億円、営業利益は同21・1%増の440億円、経常利益は同38・2%増の427億円、当期純利益は同126・0%増の264億円を見込んでいる。「当社はひたすら販売量を追い求めるメーカーではなく、重点商品に特化し、大口径のタイヤの増販や、利益率の高い市場へのシフトによって得意とする土俵の上で勝利を勝ち取っていく。その基本路線の下で、自動部品事業の収益も上げていく」(同)。