三井化学
台湾で生産能力増強
半導体製造工程用テープ「イクロステープ」
三井化学(橋本修社長)の100%子会社である三井化学東セロ(所在地・東京都千代田区、松坂繁治社長)は、半導体製造工程用テープ「イクロステープ」の能力増強を決定した。同件は既に昨年1月から営業運転を開始している、台湾・高雄市路竹区の南部サイエンスパーク高雄パークに所在する台灣東喜璐機能膜股份(以下、台湾東セロ)におけるもので、台湾での生産能力は2倍以上となり、国内の名古屋工場と合わせ、イクロステープの大幅な供給能力の拡充を図るとともに、BCP体制の強化にもつながるとしている。今回の能力増強によって年間生産能力を760万平方㍍まで引き上げる。今年8月に着工し、2023年10月に営業運転を開始する予定。
イクロステープは三井化学の樹脂由来のポリマーサイエンスの技術と、三井化学東セロの精ちなフィルム加工技術の強みを備えた製品で、半導体製造工程に用いられる保護テープとして特にシリコンウエハーの裏面研削工程用で世界トップシェアを有している。
昨今、半導体市場はコロナ禍によるテレワークの拡大など生活様式の変化に伴い、パソコンやデータセンター向けの需要が増大。また5Gの本格化に伴い基地局や携帯端末の伸長等で需要拡大が見込まれ、今後も引き続き高い成長が見込まれている。
本増設を行うことにより、イクロステープは世界的な半導体需要の高まりに対応していくとともに、さらなる事業領域の拡大を目指す。
三井化学東セロでは高品質な製品を供給する製造・販売・技術サービスを拡充し、さらなるフィルム・シート事業の強化・拡大を積極的に進めていく。