2021年5月10日

日本ミシュランタイヤ
新社長就任をオンラインで報告

タイヤ事業軸に他分野にも注力

日本ミシュランタイヤは4月13日、同月1日付けで新社長に就任した須藤元新社長があいさつと今後の方針を自らが語るとともに、2015年から5年半にわたって、同社の舵取りを行ってきたポール・ペリニオ前社長の功績と苦労をねぎらう「オンライン報告会」を開催した。

須藤新社長は、同社発足以来初の日本人社長となる。これまではBC2(乗用車、商用車、二輪)事業部専務執行役員を務めてきた。初の日本人社長の選任にあたり、ペリニオ前社長は「企業の舵取り役にとって大切な要素は、抱負な経験や卓越したリーダーシップであり、国籍は関係ない。ただ強いて言及するとすれば、日本のタイヤマーケットの変革のスピードはすさまじく、その感覚を知り尽くした日本の人財が次の社長にふさわしいのではないかという側面もあった」と述べた。

新社長就任のあいさつに立った須藤新社長は「今回、ペリニオ前社長の後任を任されることになり、大きな責任とやりがいを感じている。私たちを取り巻く環境は大転換期を迎えており、ミシュランのビジネスもタイヤを中心としながら、IoTを活用したトラック・バス用タイヤの管理システムTPMSなどのサービス&ソリューション、ミシュランガイドなどのエクスペリエンス、3Dメタルプリンティングなどハイテク・マテリアル分野などに拡大している。〝タイヤとともに〟〝タイヤ関連で〟〝タイヤを超越して〟人類・社会・お客様に貢献することがミシュラングループが描くサステナブルな未来」と、タイヤ事業に軸足を置きながら、他分野にも注力していくことを明言した。

ミシュランでは50年までにミシュランタイヤを100%持続可能にすることを宣言していることから「現在、ミシュランのタイヤを構成する素材のうち30%は既に天然素材やリサイクル素材、持続可能な原材料を使用している。これを約30年で100%までに高めるため、ミシュラングループは技術開発に取り組んでいる。グループ全体の取り組みだけでなく、もちろん日本に根差したCSR活動も積極的に推進していく」と言及した。

日本の社長を退任し、東アジア・オセアニア地域のB2C営業責任者となったペリニオ前社長は「日本ミシュランタイヤでは、トラック・バスマーケティングから始まり、乗用車・商用車マーケティングダイレクター、コマーシャルダイレクター、そして最後は社長としてさまざまなポジションで素晴らしい日々を過ごすことができた。日本在任中には多くのことを学ばせてもらった。それらは日本社会に貢献するために、日本ミシュランタイヤはどうあるべきか、多くの示唆に富むものだった」と振り返った。

続けて「日本の市場は大きな転換期を迎えている。しかしながら日本には大きな可能性を感じており、特に自動車・タイヤ業界はサステナブルで利益の出る成長のタネは必ずあると考えている。

また日本には、古くからリサイクルの考えや価値観が根付いている。サステナビリティは新しい世界のトレンドだが、日本にとっては慣れ親しんだ考え方とも言えるだろう。持続可能な社会やビジネスを日本がリードしていくことは自然の成り行きであり、その中で日本ミシュランタイヤとしても貢献できることがあると私は信じている」と期待の言葉を送った。