日本ミシュランタイヤ
「ミシュランeプライマシー」発表
ミシュラン史上最高の低燃費性能
日本ミシュランタイヤ(須藤元社長)は6月30日、オンラインで「プレミアムコンフォートタイヤ新製品発表会」を開催した。ミシュラン史上最高の低燃費性能を実現したタイヤだけあって、須藤社長自らが新製品である「MICHELIN e・PRIMACY(ミシュランeプライマシー)」のベールを開いて実物を披露。最先端の独自技術を駆使し、高いレベルでの快適性、安全性を犠牲にすることなく、同社が次世代に向けての重要なテーマとして開発に取り組んでいるサステナブル化に大きく貢献する現時点での真骨頂を誇示した。
ミシュランeプライマシーは主に電動自動車のオーナーに主眼に置いて開発を推進。持続可能な社会の実現に向けての立役者でもある電動車オーナーが、独自のモニタリング調査によって「従来のエコタイヤの燃費性能や快適さ、耐摩耗性能に満足していない」現状を重視。ガソリン車に対して特に低燃費性能、静粛性、摩耗度の差に対する不満解消に焦点を絞った。
冒頭、あいさつに立った須藤社長は「今回の新製品は当社がこれまで培ってきたタイヤ開発の技術力を駆使し、プレミアムコンフォートタイヤに求められる基本性能を高い水準で確保しながら、新たに環境性能をその判断基準に取り入れた。より安全で、さらに快適な乗り心地を享受しながら環境課題にも貢献できることへの満足感を味わってもらえればと思う」と自信のほどを述べた。
引き続き、乗用車タイヤ事業部の大河内昌紀ブランド戦略マネージャーが、新製品開発の強力なモチベーションとなった、これまでの課題探究への道筋と市場の未来予想に対する説明を行った。ミシュランプライマシーシリーズは、その20年間にわたる歴史において、プレミアムコンフォートタイヤとして「消費者だけでなく、カーメーカーのニーズをも満たしながら、グローバルプロテクトによって世界中の市場から信頼されるブランドとして進化を果たしてきた」(大河内マネージャー)。新車販売台数(乗用車)に占める電動車の割合についても、現在の35%前後から30年には80%を超えるまでの市場としての成長を遂げ、ガソリン車を追い抜き、自動車の主役へと躍進。電動車のオーナー像からは、天然またはリサイクル素材が使われている環境へのこだわり、社会に対する責任感を果たしている満足感、特別に設計されたタイヤを駆使している誇りなどといった心理が透けて見える。そういったオーナーに対して同社ではさらに、低燃費でモーターにおける走行距離を延ばしたいといった要望に加え、環境負荷が少なく、モーター走行による乗り心地や静粛性に優れた環境の実現、電動車は車両が重く、発進トルクが大きくなることから高い耐摩耗性能も追求することで、さらなる高みを目指した。その結果、ミシュランeプライマシーは転がり抵抗性能のグレーディングシステムで〝AAA〟の等級を取得。低燃費性能だけでなく、偏摩耗と急激な排水性能低下を抑制し、安心感が持続、優れた静粛性によって、モーター走行時においても快適な運転環境を実現した。
革新的な性能をメカニズムの観点から支える技術面についての解説が行われ、低燃費性能においては、新たに開発したシリカとのカップリングを改善した高弾性ゴム〝エナジーパッシブコンパウンド〟が、ゴムの変形によるエネルギーロスを抑制、強度と軽さを併せ持つ新素材を採用したスチールベルト〝スリムベルト〟が、耐久性を犠牲にすることなく内部構造の薄型化を実現。従来品の「ミシュランプライマシー4」との比較で、転がり抵抗を18・4%低減させた。静粛性では、接地面における接地部分と溝部分の比率が常に一定になるように設計が可能な〝サイレント・リブテクノロジー〟を採用。タイヤパターンによって発せられる音圧を一定にすることで、優れた静粛性を実現した。〝マックスタッチコンストラクション〟が、内部構造の適正化を図り、トレッド面のより均一な接地圧分布を実現。加速時やブレーキング時、コーナリング時でも接地面を安定させることで偏摩耗を抑制させる。主溝に採用したU字型の〝U字グルーブ〟が、摩耗末期における排水性能を確保。摩耗による急激な排水性能の低下を防ぎ、長期にわたって安全性を確保する。発売サイズは15㌅の165/65R15 81T~20㌅の175/55R20 89Qの全27サイズで、8月3日より順次発売する。