日本自動車タイヤ協会
自動車タイヤ国内需要
年央見直し値発表
上期好調で回復基調続く
【2021年自動車タイヤ国内需要見通し】
日本自動車タイヤ協会(JATMA、東正浩会長)は7月16日、昨年末に発表した2021年の自動車タイヤ国内需要の年央見直しを行った。上期の実績値も算定され、経済環境についても当初予想から変化を見せていることから、下期についての需要の予想値も修正。市況に応じて当初予想とのギャップを埋めることで、年間国内需要予想の精度を高めた。
自動車を取り巻く動向については、自動車生産台数を当初見通しの前年比7%増の865万4000台から、同9%増の877万8000台へと上振れするものと読んだ。国内販売台数については、ほぼ当初見通し通りの同6%増の487万9000台、輸出台数については当初見通し値である同8%増の414万台を上回る同13%増の423万8000台へと上振れすると見込んだ。
これら影響項目の差異修正に応じてJATMAが見直した自動車タイヤの国内需要動向については、新車用タイヤの四輪車用タイヤにおける上期実績は前年同期比16%増で着地。下期は同2%増、年間では前年比8%増と予測しており、当初予想より34万3000本上回る3943万2000本へと需要予測を上方修正した。新車用タイヤの乗用車用タイヤの上期需要実績は、前年同期と比べて16%増となったことから、下期も前年同期を上回ると見込んだ。しかしながら前年同期では既にコロナ禍による影響が回復基調にあったことから、同1%増と予測。年間では当初予想より2万本程度下回ると読んでおり、3327万9000本と慎重な見方をしている。小形トラック用タイヤの上期実績については、前年同期比20%増と2ケタの伸びを示したものの、前年上期の実績がコロナ禍による影響の真っただ中にあったことから回復による増加として認識。下期も前年同期を上回ると見込んでおり、当初見通しよりも30万5000本多い491万3000本へと上方修正した。トラック・バス用タイヤの上期実績は同12%増となり、下期も前年同期を上回ると予測。年間では5万8000本増の123万9000本と需要見通しを見直した。
市販用タイヤにおける販社販売需要動向については、四輪車用タイヤの全体の上期実績が前年同期比10%増で着地。下期は同1%増、年間では当初見通しよりも141万8000本上回る6639万8000本へと見直した。乗用車用タイヤの夏用タイヤの上期実績は前年同期比8%増で着地。下期は前年同期並みにとどまると見込み、年間では当初見通しより7000本増の3227万2000本と修正した。冬用タイヤの上期実績は、前年実績が暖冬により低水準であったことから、前年同期比130%増と著しい伸び。下期についても前年同期を上回ると見込み、同2%増と予測した。年間の需要見通しは1540万5000本で、当初見通しより80万4000本増加へと修正した。小形トラック用タイヤにおける夏用タイヤの上期実績は前年同期比6%増で着地。下期については同1%増とやや上向くものと期待されていることから、年間では当初見込みよりも18万6000本増の920万5000本と見込んだ。冬用タイヤの上期実績は前年比45%増で着地。下期も前年同期を1%上回ると見込まれ、年間では当初予測よりも29万5000本上回る430万8000本と予測した。トラック・バス用タイヤの夏用タイヤの上期実績は前年同期比5%増で着地。下期も前年同期を7%上回ると見込んでおり、年間では当初見通しより8万1000本増の280万6000本と見込んでいる。冬用タイヤの上期実績は前年同期比28%増で着地。下期は前年並みと見込み、年間でもほぼ前年同レベルの240万2000本、当初見通しより4万5000本増と予測修正した。
これら販社販売を踏まえ、メーカー出荷需要を算出した結果、四輪車用計の夏冬合計では見通しよりも161万1000本上回る6659万5000本。
メーカー出荷需要動向(四輪以外を含む)については、四輪以外の特殊車両用と二輪車用を含む国内総需要本数は、当初見通しよりも220万5000本上積みされると予想され、1億967万9000本と上方修正を行った。