2021年11月30日

【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】
ニッタ

さまざまな領域へシフト
注目度高いカーブコンベヤ

ニッタの搬送用ベルト事業における2022年3月期の第2四半期までの状況は、コロナ禍以前の19年のレベルに戻りつつある。

自動車分野が回復基調を強め、経済を取り巻く情勢も明るさを増してきたが、業界によってはまだ回復度合いに差がある。下半期に向けては、半導体不足、中国での電力不安や材料費の高騰による自動車、産業機械、部品産業の減産対応などの懸念材料も出てきており、先読みが難しくなっている。同社としては、業界の動向を見定めながら商機を的確に取り込み、結果につなげていく。

搬送用ベルトの需要先としては、物流分野が安定した成長を継続。物流機能の投資は継続的に行われている。これは消費者のEコマース利用増によるものに、装置の高速化、省人化などによる合理化への投資が重なり、今後も続くものと見ている。また需要のもう一つの柱、食品分野でも、同様の理由で需要があり、業績を支えている。

今年6月に開催された「FOOMA JAPAN2021」に出展し、搬送用ベルトの付加価値を高め、ユーザーの困り事解決に有効なプロテクトシールや桟加工、Vガイド仕様などのオプション加工例を紹介。またカーブコンベヤへの注目度も高く、搬送用オールインワンベルトのブルーベルト搭載のミニカーブコンベヤ「EC―Ⅰ」を展示。食品搬送用途でブルーベルトが選ばれる作業現場の状況において、カーブコンベヤもブルーベルトを選択することで搬送ラインの統一化を図ることができる。さらに、梱包品搬送ライン向けの高速運転対応機種「MC―Ⅰ」も展示した。

同社では中長期経営計画として「SHIFT2030」を策定しており、モノづくりを核としたシフトイノベーターとして、あるべき姿に向かって自らが変化し続けるとしている。搬送用ベルトについても「さまざまな領域へシフトしていく。注力業界・地域のシフトもあれば、販売製品、販売方法のシフトもある。またマーケティング方法、納期、価格対応のシフトもある。これらのさまざまなシフトによってお客様に信頼頂き、事業の発展と拡大につなげていく」(同社工業資材事業部ベルト事業グループ)としている。