2019年12月5日

ニッタ
「ブロイラー解体搬送用ベルト」鶏肉産業で好調推移

ニッタの2020年第2四半期までのベルト事業実績は、国内は食品搬送用途や物流業界向けが堅調に推移、半導体製造装置や工作機械向けは厳しかった。海外においても物流業界向け需要が堅調であったことから、前年同期並みの業績を確保した。業績は業種ごとに明暗を分け、まだら模様、食品や化粧品、薬品などといった、いわゆる三品と言われる一般消費財は比較的安定していることから、これらの業界向けに取りこぼしのないよう販売の安定化を図る。

 その中、消費拡大が続く鶏肉産業において「ブロイラー解体搬送用ベルト」は好調に推移。健康志向の高まりから、サラダチキンといった商品の需要の伸び、鶏肉を食材とした市場は一段と活況な動きを見せている。この業界への訴求ポイントとして脱PVCがあるが、それにベルト端部のシール加工など付加価値を加え、拡販に結び付ける。

 同社では今年の7月に開催された「2019国際食品工業展(FOOMA JAPAN2019)」、10月には「日本包装産業展(JAPAN PACK)」に出展。新製品や新技術のPRだけではなく、既成製品の性能や品質が再認識されるようアピールした。「桟付けやシール加工、特殊加工事例などを紹介することによって、新たな引き合いもあった」(工業資材事業部ベルト事業グループ営業部)という。

食の安全に伴う工程管理における衛生基準の高まりにより、食品・飲料用包装紙器の製造工程にも食品製造に準じた衛生、工程管理が求められるようになった。同社では伝動・搬送用平ベルト「ポリベルト」の新シリーズ紙器搬送ベルト「XH―Fシリーズ」を紹介。従来のゴム表面では対応が難しかったが、ベルト表面ゴムをFDAに対応、厚生労働省告示第595号にも適合させた。「フォルダーグルア(サックマシン)用XH―Fシリーズ」は、従来品の持つ耐摩耗性やグリップ力など性能を損なうことなく製品化したもので、その優れた特性を来場者にアピールした。

 また新しいアプリケーションとして「紙ストロー用紙管巻ベルト」を披露。紙ストローの製造工程は紙管の製造工程と同じで小径の紙管と言えることから、紙管をスパイラルに巻きつける工程で使われるベルトの実績を業界にアピールした。

 今後の展望としては、食品、物流分野で今後も進むであろう省力化、省人化の流れの中で顧客ニーズ、”お困り事”をいかに製品に結び付けるかに注力する。今年度の営業部方針は「繋がる営業」を掲げている。そこで外勤営業に女性を二人投入した。女性ならではの気配り、視点で顧客ニーズをつかむことが目的。合わせて女性が働きやすい職場環境づくりが男性中心であった外勤営業の働き方改革につながると考えている。よりスマートにお客様とつながることで効率化を図る。