住友ゴム工業
シンガポールに天然ゴム調達会社
安定的調達目的に
SDGsからの取り組みも
住友ゴム工業(山本悟社長)は、良質な天然ゴムの安定的調達を目指し、世界最大の天然ゴム取引市場であるシンガポールに、天然ゴム調達会社「スミトモラバー・シンガポール」を設立し、4月から営業を開始する。これまでは同社のシンガポールにあるタイヤ販売子会社、スミトモラバー・アジア(タイヤ)内の天然ゴム調達部門で調達を行ってきたが、今後は新会社が調達活動や対外的取り組みを担っていく。
昨今、天然ゴムの消費量が増加する一方で、アジアの主要生産国で生産量減少が予測され、グローバルでの天然ゴム調達が必要となる中、天然ゴム業界内での統合、撤退で取引先は減少し、市場の独占や価格変動リスク拡大などの問題が生じるなど、良質な天然ゴムの安定的な確保に向け、調達環境が大きく変化している。
また、天然ゴムの生産過程での人権侵害や森林伐採等がSDGsの観点から問題視されるようになるなど、持続可能な調達に向け、人権や環境にも従来以上に配慮していくことが求められている。このような環境変化に対応すべく、2018年10月にタイヤメーカー、天然ゴムサプライヤー、自動車メーカー、NGOなどが参画する団体であるGPSNRが発足し、同社も参画団体として積極的に活動している。
同社ではこれらの点を踏まえ、良質な天然ゴムを安定的に調達するため、調達活動やGPSNRなどの対外的な取り組みを現地で責任を持って行う体制が必要であると判断した。
【スミトモラバー・シンガポールの概要】
▽所在地=シンガポール・ハーバーフロントセンター▽資本金=1800万米㌦▽出資比率=住友ゴム工業100%▽代表者=安田吉昭氏▽業務内容=住友ゴムグループにおける天然ゴム調達関係全般▽従業員数=11人(20年1月時点)