TOYO TIRE
2020年12月期第1四半期決算
国内では天候も要因
自動車部品でもコロナ影響
TOYO TIRE(清水隆史社長)の売上高は前年同期比8・9%減の820億9400万円、営業利益は同31・8%減の69億3600万円、経常利益は同60・3%減の37億3700万円、四半期純利益は同62・0%減の21億4100万円となった。営業利益における増減要因はタイヤ事業において原材料費の低下で18億円、償却変更による7億円のプラス要因があったものの、販売要因で42億円、製造コスト増で8億円、販管費増で6億円、為替差損で1億円、自動車部品事業でも1億円の収益圧迫要因が利益を引き下げた。新型コロナウイルス感染拡大による需要減少、各国での外出制限措置などによる販売活動の低下、完成車メーカーの生産調整の影響などが大きかった。
事業別では、タイヤ事業の売上高は前年同期比8・2%減の722億9700万円、営業利益は同29・8%減の73億9900万円。北米市場における市販用タイヤについては、トラックバス用タイヤは販売量、売上高ともに前年度より微増となったが、乗用車用タイヤ、ライトトラック用タイヤにおいては販売量、売上高ともに前年度を下回った。欧州市場における市販用タイヤについては、販売量は前年度並みを維持したものの、市況が軟調に推移した。新車用タイヤについては、新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受け、国内、海外ともに前年度を下回った。国内市販用タイヤについては、天候要因による履き替え需要の遅れと新型コロナウイルスによる需要の減少により、販売量、売上高ともに前年度の実績に届かなかった。
自動車部品事業の売上高は同14・0%減の97億8200万円。収益面では、4億7400万円の営業損失(前年同期は3億8200万円の損失)。自動車用部品において防振ゴムの売上高が、新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受けた。
免震ゴム問題に関する製品補償対策費として第1四半期決算において、補償費用等4億6600万円、諸費用5億9000万円を計上した結果、10億5600万円(製品補償対策費6億9100万円、製品補償引当金繰入額3億6500万円)を特別損失として計上している。
今期については、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界的に外出や移動が制限される中、消費者の購入や企業の経済活動が停滞する状況が継続。同社においても、主要販売地域を含む各国における個人消費の下振れによる需要減少、各国での外出制限措置等による販売活動の低下、完成車メーカーの生産調整の影響等を受けている。新型コロナウイルスによる影響が現時点では収束の見通しが立っていないことから、この状況で今後を見通すことは困難であると判断。本年2月14日に公表した当期の業績予想は取り下げ、現状では未定としている。今後、業績予想の算定が可能となった時点で、公表される。