2020年5月20日

ダイセル
「100%植物由来」の新素材開発へ

事業革新パートナーズと共同開発開始

ダイセル(小河義美社長)は、バイオプラスチック新材料研究開発・製造、金型・素形材業界支援、海外展開支援を行う事業革新パートナーズ(本社・神奈川県川崎市幸区、茄子川仁社長、以下、BIPC)と、ダイセルのセルロース由来バイオプラスチックと、BIPCのヘミセルロース(植物中にセルロースとともに存在する多糖類のこと)由来バイオプラスチックを組み合わせた、新たな植物由来プラスチックの共同開発を開始した。

ダイセルは、植物由来セルロースを原料とする酢酸セルロースなどのセルロース由来バイオプラスチックの製造を長く行ってきた。酢酸セルロースはグローバルに展開されており、繊維や液晶保護用などのフィルム、化粧品などの原料として利用されている。

BIPCは、膨大な資源量がありながら活用例の非常に少ないヘミセルロースを原料とするバイオプラスチックの開発に、世界で初めて成功したベンチャー企業。BIPCはこのバイオプラスチックを「HEMIX」として昨年から販売しており、優れた海洋生分解性や流動性を有する素材として、BIPC独自の化学合成技術とさまざまなプラスチック材料との混合技術を組み合わせ、新たな材料開発を積極的に進めている。

セルロース由来バイオプラスチックとヘミセルロース由来バイオプラスチックは、いずれも植物由来で、海洋を含めた生分解性を有するなど環境に負荷を与えない自然回帰型のプラスチック。ダイセルとBIPCは、両社のさまざまな知見、技術、ネットワークを活用して互いの植物由来プラスチックを組み合わせ、植物本来の多様な機能や特長を引き出した新たなプラスチックの開発を目指す。まず、樹木の特長である強じん性を最大限に発揮しながらも、成形性や光学特性を兼ね備えた海洋生分解性プラスチックの開発を進めている。さらに、「100%植物由来」の新素材開発に挑戦し、ひいては地球環境問題の解決への貢献を目指していく。