2020年6月15日

右川ゴム製造所
福島工場を新たに建設

押出ゴム製品の供給体制を強化

右川ゴム製造所(所在地・埼玉県八潮市、右川誠治社長)は、福島県南相馬市に、福島工場を新たに建設した。5月28日に竣工し、来月ごろからの本格稼働を予定している。同社では福島工場を主力の押出ゴム製品における供給体制強化を担う生産拠点として位置付け、多様化するニーズや納期への対応、生産力向上やデリバリー強化を図る。本社工場とも連携を取りながら、より一層顧客の要望にこたえていく。

同社では、ゴムまり製造会社として創業して以来、今年で123年を迎える。時代とともにゴム素材を軸に生産品目も変化してきており、現在は主に工業用ゴム製品を製造。1923年に設立した上海工場(戦後閉鎖)を除き、長い間、本社工場のみで生産を行ってきた。現在、受注生産・OEM生産を中心に、自動車・OA機器・建築資材・住宅設備・鉄道・土木・工業用品などといった幅広い業界に向け、多種多様なゴム製品を生産しており、近年では展示会やホームページを活用し、取引顧客数を拡大させてきた。

本社工場の生産能力も限界を迎え、従業員の働き方改革を推進しながら、増加するニーズに対応する目的から、設備投資による生産能力の増強が急務となっていた。そのような背景もあって経済産業省による「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」ならびに南相馬市誘致認定企業として「南相馬市企業立地助成金」の対象補助事業として工場を新設することを決めた。

工場所在地は、福島県南相馬市原町区下太田字川内廹310—35で、敷地面積4923・64平方㍍、延床面積は2083・46平方㍍(工場1階は1657・50平方㍍、2階は400・96平方㍍/少量危険物倉庫25平方㍍)。主な製造品目は、工業用ゴム製品(自動車・OA機器・建築資材・住宅設備・鉄道・土木・工業用品など)で、製造が行われる1階平屋部分は材料・製品の効率的な移動導線が確保された、機能的な生産工程レイアウトで設計が行われている。主要設備は、精練工程においては75㍑ニーダー、18㌅ロールを軸にバッチオフマシン1ライン。押出連続加硫工程ではφ90㍉ベント押出機をヘッドにしたUHF連続加硫装置1ライン。φ70㍉ベント押出機にφ50㍉押出機のクロスヘッドを備えたUHF連続加硫ライン1ラインの生産設備を配置している。このほか、ムーニー粘度計・計量装置・各種検査機器などを装備している。従業員数は10人(地元採用者7人含む)で、電話番号は0244・25・1616(6月15日より対応可能)、FAX番号は0244・22・8855。

近年増加する自然災害発生に対しても、2拠点化によるリスク分散により、事業継続性の観点から、より安心して顧客が依頼することのできる会社づくりを目指す。