住友ゴム
2020年12月期第2四半期決算 世界的な厳しさは底
徐々に見えてきた回復傾向
住友ゴム工業(山本悟社長)は6日、電話会議を通じて「決算説明会」を開催した。それによると売上収益は前年同期比20・8%減の3400億3800万円、事業利益は23億900万円の損失(前年同期は167億2800万円の利益)、営業利益は29億7400万円の損失(同164億5700万円の利益)、税金費用を計上した後の最終的な四半期利益は93億4100万円の損失(同63億2200万円の利益)となった。タイヤ事業において市販用、新車用ともにグローバルにタイヤ需要が大幅に減少した状況が響いた。中国、日本ならびにアジア、欧米においても落ち込みの底を打ったとみられ、徐々に回復の傾向が見えてきたものの、結果的には前年同期を下回った。
連結事業利益における増減要因は、原材料価格の良化で107億円(天然ゴム2億円のマイナス、石油系が105億円のプラス、その他4億円のプラス)、価格で6億円、数量・構成ほかで19億円、直接原価で3億円、固定費減で12億円、経費の削減で34億円、産業品ほかで5億円のプラス要因があったものの、為替差損で24億円、スポーツ事業で1億円のマイナスがあったほか、何よりも新型コロナウイルスの影響による351億円の減益が大きな痛手となった。ただし、主力のタイヤ事業における事業利益は前年同期の実績を157億円上回っており、増益となっている。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前年同期比20・8%減の2908億4500万円、事業利益は8億9500万円の損失(前年同期は127億4400万円の利益)。国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや、低燃費タイヤを中心とする高機能商品の拡販を進めたが、新型コロナウイルス感染症の影響により自動車の生産台数が大幅に減少した。国内市販用タイヤは、低燃費タイヤの新製品を中心に高機能商品の拡販を推進したが、暖冬の影響により冬タイヤの販売が前年同期を下回った。海外新車用タイヤは、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの地域で自動車メーカーによる大幅な減産が発生。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では、特に中国において新型コロナウイルス感染症の感染拡大阻止に向けた大規模な都市封鎖が行われ、需要は大きく落ち込んだ。
スポーツ事業の売上収益は同30・5%減の298億2900万円、事業利益は29億200万円の損失(前年同期は28億800万円の利益)。ゴルフ用品は、新型コロナウイルス感染症に伴うイベント中止や自粛ムード、ロックダウンなどの影響を受け、国内外ともに市場が低迷、デジタル系マーケティングによる販売を強化したものの、売上収益は前年同期を下回った。テニス用品も同様に伸び悩んだ。ウェルネス事業においても、スポーツクラブの一時休業などにより、売上収益は前年同期を下回った。
産業品他事業の売上収益は同1・6%増の193億6400万円、事業利益は同26・2%増の14億7200万円。医療用精密ゴム部品や制振ダンパー、インフラ系商材、手袋が堅調に推移した。
通期については、前回発表時には未定としていたが、現時点で入手可能な情報や、予測等に基づいて連結業績予想を算出。通期予想については、売上収益7500億円、事業利益200億円、営業利益180億円、当期利益を70億円と見込んでいる。