BASF
超高粘度の「ウルトラゾーンE」上市
中空糸膜等の耐久性を大幅向上
BASF(マーティン・ブルーダーミュラー会長)は、「ウルトラゾーンE」の超高粘度グレード「PESUウルトラゾーンE7020P」を日本で上市した。優れた機械特性を維持しながら、分子量をかつてないレベルにまで高めたグレードで、食品・飲料分野、電子工業分野、医薬品分野などで使用される耐久性に優れた中空糸膜やフィルターの製造が可能になる。
この素材は、酸や苛性ソーダなどに対する高い耐薬品性と機械的強度を兼ね備えており、高圧をはじめとする厳しい環境下でも長期の使用が可能。PESUウルトラゾーンE7020Pは、過熱蒸気に対して特に耐性があることから、膜やフィルターを洗浄する際の温度を上げ、洗浄頻度を高めることができる。134度の高圧蒸気やエチレンオキサイド、ガンマ線による滅菌を繰り返し実施しても、膜の繊細な細孔構造が維持される。
ウルトラゾーンEは、ゲルやオリゴマーの含有量が少なく、安定的な膜製造プロセスを確実にする高純度材料で、同社のPESUは、劣化することなく、0~13という広い㏗値で使用することができる。
米国食品医薬品局および欧州において、食品接触材料の反復使用に関する基準に適合しており、飲料水や食品加工用途としても使用可能。ウルトラゾーンはウルトラゾーンE(ポリエーテルスルホン)、「ウルトラゾーンS」(ポリスルホン)、「ウルトラゾーンP」(ポリフェニルスルホン)を含む、同社のスルホン系樹脂製品群の登録商標で、水処理膜、温水や食品と接する部品に使用されるほか電子機器、自動車、航空宇宙産業において軽量な部品を製造するためにも使用されている。