横浜ゴム
インドに新工場建設
ATGの生産能力増強
日量生産能力55㌧
横浜ゴム(山石昌孝社長)は、農業機械用タイヤなどオフハイウェイタイヤの生産販売グループ会社であるATG(アライアンスタイヤグループ)の生産能力の増強を図る目的から、インドのアチュタプラム工業団地に新工場を建設する。一日の生産能力はゴム量で55㌧、設備投資額は1億6500万米㌦(約173億円)。2020年第3四半期に着工し、23年第1四半期からの生産開始を予定している。
オフハイウェイタイヤの生産・販売を手掛けているATCタイヤズAPの新工場の建設地であるアチュタプラム工業団地は、インド東部のアンドラプラデシュ州の最大都市であるヴィシャカパトナムに所在。ヴィシャカパトナム港も近く、輸出についても有利な立地条件にある。新工場の敷地面積は約32万平方㍍で、将来の拡張も視野に入れられている。
ATGは現在、インドグジャラート州にダヘジ工場と、タミル・ナドゥ州にティルネルヴェリ工場を稼働させており、主力ブランドである「アライアンス」「ギャラクシー」「プライメクス」の農業機械、建設車両、産業車両、林業機械用タイヤなどを生産。世界的な需要増から、18年2月から進めてきたダヘジ工場の生産能力を1・6倍に引き上げる拡張工事を完了させているが、ますます増加が見込まれるオフハイウェイタイヤの需要に対応するためには新工場建設が必要との判断に至った。
横浜ゴムは中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」のタイヤ生産財戦略において「オフハイウェイタイヤを成長ドライバーとして次の100年の収益の柱へ」を掲げている。同社の建設車両用タイヤに加え、グループ会社であるATG製タイヤ、愛知タイヤ工業製の産業車両用タイヤなどオフハイウェイタイヤの一層の事業拡大に取り組んでいる。
今回の新工場建設によって、横浜ゴムグループのオフハイウェイタイヤの供給網はインドに3拠点、イスラエルに1拠点、ベトナムに1拠点、日本の3拠点による4カ国8拠点、一日の生産能力の合計は480㌧(ゴム量)となり、グローバルでのオフハイウェイタイヤにおける競争力強化をさらに加速させていく。