日本ケミカルシューズ工業組合
第167回 2021 春 日本グランドシューズコレクション
万全のコロナ対策で
通常の商談風景取り戻す
日本ケミカルシューズ工業組合(新井康夫理事長)は10月14、15の両日、神戸市中央区の神戸国際展示場2号館において「第167回 2021 春日本グランドシューズコレクション&全国サンダルフェア」を開催した。
新型コロナウイルス感染防止に向けた万全の体制をとって現物を紹介する展示会を実施。密を防ぐ目的から、今回はオープニングセレモニーを中止し、オープンの午前9時30分にはスタッフが入り口に立って検温、マスク着用を確認し、アルコール消毒液での消毒を促した。消毒液のスプレーは至る場所に設置され、協力を促す立て看板を置くことで、各場所での防御体制を整えた。カフェスペースにはパーテーションを張り巡らせ、たとえ商談であっても飛まつ防止の徹底策を実行。窓や扉などは可能な限り開放し、換気機能も最大モードに設定した。
会場内はソーシャルディスタンスを維持するスペース確保のほかは、通常の展示会風景が広がっていた。春ものだけにサンダルが主役と予想していたものの、扉を開けるとパンプス類が主流。シルエットはフラットシューズが主流でバレエスタイルもバリエーション豊かに披露されるなど、ピンヒールのような高寸やペンシルトゥなどといったエレガントなスタイルを取り入れたアイテムは少なかった。
全体的なイメージはシャイニーで、エナメル遣いのシンプルなスタイルやラメ入りのチュールやウール素材、ストーンやスタッズによるアクセント、ビジューなどがエナメルと相まってシャイニーなイメージを形作っていた。サテン風素材にメタルパーツを巧みに取り入れるほか、履き口周りにメタル系の素材を配色するなど、大人のシャイニー感覚が全体を包んでおり、グリッターなイメージとはほど遠かった。おしゃれ感の演出の一つに異素材の切り替えがあり、シャイニーな素材をスムース系やベロア調素材と組み合わせることで、個性の際立ちを整えていた。
サンダル、ミュールの存在も健在ながら、全体から醸し出されるムードはスニーカー寄りで、ミュールは素材やステッチでスポーティーな演出が施されるなど、サンダルもカジュアルシューズのイメージを意識。カジュアルの感性も自然なデザインを取り入れることで、コーディネートを選ばないアイテムが提案されていた。ウオーキングタイプもスタンダードなつくりになっているが、スニーカーのパーツとのハイブリッドや異なる素材とのさりげない切り替えで、さりげなく存在感を主張していた。