2020年3月5日
日本触媒
高効率のアルカリ水電解用セパレータ開発
グリーン水素への変換サポート
新セパレータ
日本触媒(五嶋祐治朗社長)は、独自の有機無機複合技術とシート成形技術によって、グリーン水素(再生可能エネルギー由来の水素)の製造に好適な乾式でハンドリング性の良い、ガスバリア性に優れた高効率のアルカリ水電解用セパレータを開発した。このセパレータによりグリーン水素の普及をサポートし、二酸化炭素(CO2)排出量削減に貢献する。
アルカリ水電解の模式図
地球温暖化防止のため、CO2排出量削減の取り組みが世界中で推進されているが、その一環として、水素で駆動する燃料電池が車載用や家庭用などで利用が始まっている。
現在、水素の代表的な製法はメタン水蒸気改質法であるが、水素製造時にCO2が排出される欠点が挙げられる。そこで製造時にCO2を排出しない製法として、再生可能エネルギーを用いたアルカリ水電解が、近未来の水素供給法として世界各国で大規模実証プロジェクトが推進されている。
アルカリ水電解用のセパレータは、水素製造効率に大きく影響するキーマテリアルで、生成した水素と酸素を透過しない特性(高ガスバリア性)および低い膜抵抗(高イオン伝導性)が要求される。高温・高濃度のアルカリ水という過酷な条件下で耐久性のある実用的なセパレータは限られていたが、同社独自の有機無機複合技術とシート成形技術によって、これらの性能を両立したアルカリ水電解用セパレータを開発することに成功した。このセパレータを用いることで、消費電力の抑制や生成水素の純度向上といったメリットが期待される。