2020年12月期決算発表
住友ゴム工業
営業・経常利益伸長
下半期より巻き返し図る
住友ゴム工業(山本悟社長)は2月9日、ウェブを通じて決算概要の「説明会」を開催した。
売上収益は前期比11・5%減の7908億1700万円、事業利益は同20・2%減の433億8800万円、営業利益は同17・0%増の387億100万円、当期利益は同87・2%増の225億9600万円となった。利益面では、のれん・固定資産の減損損失の計上が大きく減少したことなどにより営業利益、加えて当期利益は顕著な増益となった。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は同11・4%減の6798億6000万円、事業利益は同12・3%減の409億4900万円。国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや低燃費タイヤを中心とする高機能商品の拡販を進めたものの、COVID―19の影響により、自動車メーカーの生産台数が大幅に減少したことから、売上収益は前期を下回った。国内市販用タイヤは新商品、高機能商品の拡販に加えて、新技術展開・拡販に努めたが、COVID―19によって市場が冷え込んだ。海外新車用タイヤについても、多くの地域で自動車メーカーの大幅な減産が発生したことで伸び悩んだ。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では、特に上半期の中国において大規模な都市封鎖が行われたこともあって需要は大きく冷え込み、欧州・アフリカ地域および米州地域においても同様に市場は低調となった。下半期に入ってからは、中国・北米地域などの市況の回復の早い地域を中心に、高機能商品の積極的な拡販に努め、巻き返しに取り組んだ。
スポーツ事業の売上収益は同17・1%減の702億5700万円、事業損失は7億4100万円(前期は42億9100万円の利益)となった。ゴルフ用品は、北米、欧州を中心にCOVID―19に伴う市場縮小の状況に見舞われたが、6月以降は反転傾向が見られ、強化してきたデジタル系マーケティング・販売チャネル関係強化、新商品の効果もあり、下半期は海外で前年同期比増収となった。テニス用品は、下半期はゴルフ用品と同様に海外において前年同期比増収となったが、COVID―19の影響や、6月にバボラ社との国内販売代理店契約を終了したことによって減収、通年の売上収益では前期に及ばなかった。
産業品他事業の売上収益は同0・9%減の407億円、事業利益は同6・2%減の31億8600万円。医療用精密ゴム部品や制振ダンパーが堅調に推移し、COVID―19の影響によって使い捨て手袋の需要が増加した。
今期については、売上高は前期比10・0%増の8700億円、事業利益は同6・0%増の460億円、営業利益は同11・1%増の430億円、当期利益は同28・3%増の290億円を見込んでいる。昨年11月に通期の業績予想を行ったが、売上収益ならびに各利益項目ともに前回発表予想を上回ったことから、配当金の上方修正を行う。前回公表した期末配当予想より1株当たり10円引き上げ、35円とすることに決めた。