横浜ゴム
ハマタイト事業譲渡
スイスのSikaグループに
横浜ゴム(山石昌孝社長)は同社および同社グループのハマタイト事業を、スイスに本社を置くスペシャリティ・ケミカルカンパニーのSikaグループに譲渡することを決定した。本譲渡は、同社および同社100%出資の連結子会社である横浜ゴムMBジャパン、海外グループ会社であるYokohama Industries Americas(YIA)、Yokohama Industrial Products―Hangzhou(YIPHZ)、Yokohama Rubber(Thailand)(YRTC)のハマタイト事業が対象で、Sikaグループへの譲渡実行予定日は今年11月1日。
横浜ゴムは、1958年にハマタイト事業を創業し、自動車用、建築用のシーリング材や接着剤を中心に事業成長を図ってきた。同社が製造販売を行うハマタイトシリーズは高性能、高品質が評価され、多くの顧客から支持を獲得している。その一方で市場環境は激しさを増しており、ハマタイト事業のさらなる成長・発展を幅広く検討した結果、業界をリードするSikaグループの下、今後の成長ビジョンを構築することが最適であると判断し、本事業の譲渡を決定した。
譲渡方法は日本においては横浜ゴム、横浜ゴムMBジャパンのハマタイト事業の会社分割を行い、横浜ゴム100%出資子会社の新会社を設立後、新会社の全株式をSika日本法人の日本シーカ(本社・東京都港区、番馬健一社長)に譲渡を行う。海外グループ会社については、YIAはSika Corporation(Sika USA)が設立する特別目的会社にYIAのハマタイト事業の資産・負債を譲渡。YIPHZは横浜ゴムの100%出資子会社であるYokohama Rubber(China)が新たに設立する100%出資子会社の新会社に、YIPHZのハマタイト事業の資産・負債を譲渡後、新会社の全株式をSika(China)に譲渡する。YRTCはSika THAILANDへYRTCのハマタイト事業の資産・負債の譲渡を行う。
今回の事業譲渡について山石社長は「専業メーカーであるSikaグループとの協働はハマタイト事業のさらなる成長をもたらし、すべてのステークホルダーの期待におこたえできると確信している。当社のMB事業としては、既存のコア事業にリソースを集中することで強化を図り、本年2月19日に公表した新中期経営計画『YX2023』を着実に実行していく」とコメント。
譲渡先のSika AGのポール・シューラーCEOは「今回の買収は私たちの成長戦略に完全に合致するもの。ハマタイトにより、自動車および建設産業へのSikaの市場進出を加速させる屈指の技術、ノウハウ、スキルを持った人材がグループに加わる。グローバルに展開する製造拠点により、世界中の自動車産業における私たちの顧客に対し、グローバルおよびローカルにおいて、サービスの提供を強化することができる。私たちはハマタイトの素晴らしいチームがSikaの仲間に加わることを心から歓迎し、これからともに働くことを楽しみにしている」と歓迎の言葉を述べた。
なお本件に関する業績への影響については、売却益(税引後)約50億円を非継続事業の損益として継続事業と区分して計上される見込みだが、金額については現在精査中のため、今後変動する可能性があるとしている。